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Re: 第十三章 間奏 Ⅱ〜漆黒の死神、紡がれる記憶 第六話 ( No.582 )
日時: 2013/12/13 10:17
名前: icsbreakers ◆3IAtiToS4. (ID: WV0XJvB9)

■第六話②

「なら、魔法少女にならないかい?」

「……!」

明奈は月明かりに照らされた妙なシルエットに視線を向けた。

「僕はキュゥべぇ。君の願い、叶える代わりに魔法少女になってくれないかな?」

その見たことも無い、まるでぬいぐるみのような生物は、表情一つ変えずにそう言った。

「どういうこと?」

「僕は君の願いを何でも叶えてあげられる。その代償に、魔法少女として魔女と戦って欲しい」

「どんな願いでも……」

普通の人が聞けば疑問符の一つや二つ付きそうな話に、明奈は驚く様子も無くただボーっとキュゥべぇを見つめた。

「まぁもちろん強制はしないよ。魔女と戦うのは命を落としかねないほど危険だからね。だからもう少し考えて———」

「死ぬとか、危険とかどうでもいい。本当にどんな願いでも叶えられるの?」

「……もちろん」

明奈はベッドを降り、キュゥべぇと向き合った。

「今も、過去も、未来も、パラレルワールドだろうと何だろうと!!どんな世界だって壊せる力が欲しい!!」

「ずいぶんな願いだね。この世界を壊してしまったら、君も消えてしまうじゃないか」

そう言うキュゥべぇに明奈は薄ら笑いを浮かべた。

「こんな世界、生きる価値なんてない。この世界に生きてる奴ら、すべてに価値なんてないんだ。だから構うもんか」

「まぁ……君が望むならその願いを叶えるよ」

表情を変えない、というか表情の無いキュゥべぇは、明奈の言葉を真に受けていないか吐き捨てるようにそう言った。

その後、明奈はキュゥべぇと契約し、魔法少女になった。

こうして蒼井明奈の本当の地獄が始まりを告げた。