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Re: 第十三章 間奏 Ⅱ〜漆黒の死神、紡がれる記憶 第七話 ( No.583 )
日時: 2013/12/14 12:35
名前: icsbreakers ◆3IAtiToS4. (ID: WV0XJvB9)

■第七話①

「あ、アンタ!!生みの親なんだよっ!?アタシはさ!!」

母親が悲鳴のような声色で明奈に向かって叫んだ。

明奈の目の前には腰を抜かして怯え、命乞いをする母親。

隣には以前お金を巻き上げた男。

ただしその男は胴体と首が離れており、既に息絶えている。

(ああ……なんて素敵なんだろう)

自分を地獄に突き落とした奴らが怯え、命乞いをし、そして死んでいく。

この瞬間をどれだけ待ち望んだことか。

(最初からこうして自分でやっちゃえば良かったんだよね)

手に持つ巨大な鎌は、男の血でベットリ濡れていた。

明奈は、全身真っ黒なゴシックロリータ調の服を身に纏っていた。

肌色の見えるところと言えば、首から上くらいで、まさに『漆黒の死神』という感じだった。

「今の私にはピッタリの様相だよね」

誰に言うでもなく、ボソリと呟いた。

「なぁ、今までのことは謝るから……アタシだけは助けておくれよ……明奈ぁ」

明奈。

母親にそう呼ばれたのは何年ぶりだろうか。

それがとても腹にたった。

「調子の良い時だけ母親?散々私に地獄を見せてきたくせに……。私は、私の名は、アンタに汚された。これ以上、私の名を汚すなっ!!」

明奈は何の躊躇いも無く、鎌を振り下ろした。

魔法で作られ、石をも切り裂いてしまう鎌は、人間など紙を破るくらい簡単に真っ二つにした。

物言わなくなり、血を噴出す母親を見下ろし、明奈はニッコリ笑った。

「でもね、今は感謝してるよ。アンタが地獄を見せてくれたおかげで、この力を手に出来たから。ありがと、お母さん」

明奈はその後、死体を魔法で跡形も無く消した。

母親は蒸発したこととなり、明奈は見滝原市に住む親戚に引き取られた。