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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 第十三章 間奏 Ⅱ〜漆黒の死神、紡がれる記憶 第十一話 ( No.588 )
- 日時: 2014/03/03 10:36
- 名前: icsbreakers ◆3IAtiToS4. (ID: WV0XJvB9)
■第十一話①
「〜〜♪」
大粒の雨が降るなか、明奈は崩れたビルの瓦礫に腰掛け、鼻歌を歌っていた。
肩に担ぐ鎌には雨に流され、薄くなった血が滴っていた。
「ほらね。殺しあう運命なんだよ、私たちは」
瓦礫にもたれ掛かり、動かなくなったほむらを明奈は光の無い瞳で見つめた。
「君は、一体何がしたいんだい?」
いつの間には明奈の前に座っていたキュゥべぇがそう問うた。
「この世界を壊すため」
「それでワルプルギスの夜を倒そうとする彼女らを殺したのかい?」
空中ではワルプルギスの夜が笑いながら移動していた。
この調子で行けば、見滝原市は壊滅するだろう。
「ワルプルギスの夜なら、この世界を壊せる。そう思ったんだけどなぁ」
ワルプルギスの夜は魔女であるがために、確固たる目的を持たない。
言い換えれば気分屋みたいなもので、今行っている破壊に満足したらまたどこかへ行ってしまうだろう。
「そんなんじゃ、いつこの世界が壊れるかわかったもんじゃないね」
「君の望みが叶ってしまったら、僕らが困っちゃうけどね。でも強いてその願いを叶えることが出来る者が居たとしたら、それは鹿目まどかだろうね」
「どういうこと?」
「鹿目まどかはどういうわけか、もの凄い力を秘めているんだ。もしもこの世界を破壊したいと願ったなら、叶ってしまうほどのね。まぁ、君が殺してしまったから、今更だけどね」
「……」
明奈は無言で立ち上がり、鎌を消した。
「どこに行くんだい?」
「隣の世界」
明奈はそうキュゥべぇに言い残し、姿を消した。
それ以降、キュゥべぇが明奈を見ることは無かった。
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