二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第十三章 間奏 Ⅱ〜漆黒の死神、紡がれる記憶 第十二話 ( No.589 )
日時: 2014/03/04 14:15
名前: icsbreakers ◆3IAtiToS4. (ID: WV0XJvB9)

■第十二話①

目を覚ますと、明奈はベッドの上に居た。

部屋の隅に置かれた全身鏡の前に立ち、自身の姿を確認した。

オレンジ色の可愛らしいクマがプリントされたパジャマ。

寝ぼけた顔をしているが、健康的な顔をした自分。

明奈は次に部屋を見渡した。

綺麗に整頓され、女の子らしい装飾やぬいぐるみが置かれている。

明奈は机の上に置かれた写真立てを手に取り、それを一目見るとため息をついて伏せた。

そしてすぐ隣に置かれた日記帳を手に取り、一番新しい日記に目を通した。

『私、魔法使いになっちゃった。なんだか夢みたい。でも現実なんだよね。ちょっと怖いけど、この力で誰かの役に立てるのなら嬉しいな』

紛れも無く自身の筆跡で書かれた日記。

だが明奈には別人が書いたようにしか見えなかった。

明奈はパジャマのまま一階に降り、リビングに足を踏み入れた。

テーブルの上にはラップのかけられた朝食が置かれていた。

ふとさっき見た写真を思い出した。

母親と写った写真。

どこかに出かけた時に撮ったであろうその写真には、仲睦まじい親子の姿が写っていた。

「ここは幸せな私が居た世界なんだね」

明奈は朝食を済ますと、制服に着替え、学校に向かった。