二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第十三章 間奏 Ⅱ〜漆黒の死神、紡がれる記憶 第十二話 ( No.590 )
日時: 2014/03/04 14:21
名前: icsbreakers ◆3IAtiToS4. (ID: WV0XJvB9)

■第十二話②

昼食。

明奈は用意された弁当を取り出すと、それを机の上に置いた。

「明奈ちゃん」

声のした方に視線を向けると、笑顔のまどかが立っていた。

「良かったら今日も一緒にお昼しない?」

明奈は一瞬考え、「いいよ」と返した。

明奈とまどかは弁当を持って屋上に向かった。

そして適当に空いているベンチに座った。

明奈は弁当を口にしながら、横目でまどかを見た。

(本当にこの子が凄い力を秘めているの?そうは見えないけどなぁ)

キュゥべぇの話では願い次第でこの世界を消してしまうくらいの力を秘めているらしい。

しかし一見するとどこにでも居る普通の少女だ。

お世辞にも何か特別な物を持っているようには思えない。

「どうかした?」

「え、いや……別に」

明奈は視線を自分の弁当に戻した。

だがまどかは明奈を見つめたままだった。

「明奈ちゃん。明奈ちゃんは、願い事決まった?」

「え?」

「魔法少女になるためのだよぉ。昨日も話したでしょ?」

「えぇ、そうだったよね」

まどかとはどうやら魔法少女を知る者同士として知り合ったようだ。

記憶が無いのも不便なものだ。

(いつもなら好き勝手やるんだけど……。この子を利用する以上、あまりこの子を遠ざけるようなことは出来ない)

話の流れから、まどかはまだ契約していないようだった。

ならば上手くいけば自分の思い通りに動かせるかもしれない———そう明奈は考えていた。