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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【ドラゴンクエストⅨ】スライムと元天使の冒険! ( No.20 )
- 日時: 2012/06/08 20:08
- 名前: 野花 ◆i0yxwOSY66 (ID: 73BX/oE4)
ウォルロ村、夜——
「リッカちゃんっ」
リッカの宿屋の外にいるナインは、中から聞こえてくたルイーダの声に首を傾げ、
出てきたリッカに勢いよく突き飛ばされた。
「……っリッカ……?」
走っていく彼女を見ながら、ナインは更に首を傾げた。
「どーすんの?」
ナインの周りをぱたぱたと飛ぶ、ジュース缶(この世界にそんなものあるのかは知らないが)程度の
大きさのガングロ妖精・サンディが言う。
彼女は天の箱舟の運転手らしく、ナインが天の箱舟が見えるような態度をとった事に興味を持ち、
ナインの側にいる。彼女曰く、「天使には見えないケド、アタシが見えてるっぽいし? まぁとりあえずこの幽霊を成仏させてみなさいよ!!」
……試されている、という事だろうか。
どっちにしろ、ウォルロを守護する者として幽霊は成仏させてあげようと思っているから構わないが。
『私の、所為ですよね……』
憂欝そうに溜息を吐くのは、サンディに“この幽霊”と呼ばれる——二年前に流行病で死んだリッカの父親・リベルト。
彼はキサゴナ遺跡で扉を開いた中年男の幽霊の正体で、今はサンディと同じようにナインの隣にいる。
「どうする、って言っても……これはリッカの問題で、僕らがどうこうできる訳じゃないしなぁ」
ナインは、うーん、と頭を掻く。
『……あ』
「何ですか、もしかして良いアイデアが浮かんだのですか?」
『はい。
私が宿屋ランキングで一位をとった時のトロフィーを見せれば、リッカも納得するかもしれません』
「トロフィー?」
『はい。 村の隅に隠しておいたのですが……リッカに私の事を明かす前に、死んでしまいまして』
「村の隅……分かりました、僕が探して、リッカを説得してきます」
夜は更けていく。
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