二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【ドラゴンクエストⅨ】スライムと元天使の冒険! ( No.22 )
- 日時: 2012/06/22 21:54
- 名前: 野花 ◆i0yxwOSY66 (ID: v.OxdoyZ)
宿屋の裏にある茂みの中に、宿王のトロフィーはあった。
一旦リッカの家に戻り、改めてそれを眺める。
「どうしてこんな所に隠したのかな……?」
首を傾げるリッカの前に現れたのは、
「それはわしが説明しよう」
彼女の祖父だった。
曰く、リッカには母親譲りの病気があった。
成長するごとに弱っていきやがて死んでしまうという病気で、母親も若くして亡くなった。
ウォルロ村の滝の水は名水と呼ばれ、病を遠ざける——
そんな話を聞いたリベルトはセントシュタインの宿屋を畳み、ウォルロ村に移り住み宿屋を始めたという。
話を聞き終わったリッカは、茫然と
「そんな……じゃあ、あたしが、お父さんの夢を奪ったんだ……」
呟いた。
それを否定したのは祖父で、
「確かに、そういう見方もあるかもしれん。
実際、リベルトはそれを恐れてお前に話さなかったくらいだからの。
だがな、リッカ。 お前さんはそれを受け入れる事ができると、わしは信じておるよ」
「……うん、おじいちゃん……、そうよね、そう考えるのはお父さんに失礼だわ」
決めた!と、トロフィーを持つ手に力を入れる。
「わたし、セントシュタインに行く!!
わたしに何ができるのかわからないけど、ルイーダさんの申し出を引き受けてみるよ!」
トロフィーをテーブルに置き、走っていった。
きっと、ルイーダのいる宿屋に向かったのだろう。
「やれやれ。 いつかあの子がいなくなるのは分かっていたが、さみしくなるのう」
リッカの祖父の独り言を聞き流し、リッカを追いかける。
部屋の外に、
「あ、リベルトさん」
リベルトは、立っていた。
『話は全て、聞かせてもらいました。
まさかリッカが私の夢を継いでくれるなんて……あの子も大きくなったものです。
もう思い残す事は何もありません……。
私が見ていなくても、きっと、あの子は立派にやってゆけるでしょう……』
リベルトの幽体が、蒼い光に包まれる。本人もそれに気づいたようだった。
『どうやらお別れのようですね。
本当にありがとうございました。
守護天使様……』
その光が、消えた。 これで、リベルトは、成仏した。
『いっちゃったわね』
サンディは静かにそう呟いた後、振り返り、ナインを見る。
『なかなかやるじゃん!
こりゃあんたのこと天使だって認めない訳にはいかないか。
天の箱舟に乗せて天使界まで送ってってあげるわ。
カンシャしなさいよ〜』
「……本当っ!?」
『もちろん!!
ところでさあ、あんた天使だったら星のオーラを回収しなくていいの?
そこに転がってるんですけど……』
「えっ」
『その反応……あんた星のオーラ見えてないの?
見えなくなっちゃったのっ!?』
「……そうみたいだ……」
『前言テッカイしたいんですケド……まあいいや!!
あんたしか頼れるのいないし』