二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【ドラゴンクエストⅨ】スライムと元天使の冒険! ( No.7 )
- 日時: 2012/06/05 21:51
- 名前: 怡執 ◆i0yxwOSY66 (ID: OewqiabW)
それからなんやかんやで、
スライムの名を知ったり(リリパット、という魔物は人間の言葉が喋れるのだ)、
特技姿消し_ステルス_のおかげで自分以外には見えない事が分かったり、
危うくリッカに見つかりそうになったりと、色々あった。
村の象徴である滝、その前にある守護天使像。
全くナインに似ていないが、そこには“ウォルロ村守護天使 ナイン”と書かれている。
少し前までは、彼の師匠——イザヤールの名が刻まれていた。
名前が変わった事に、人間は気づかない。
村人による守護天使ナインの認識は、
“太古の昔からこの地を見守ってくださっている守護天使様”。
しかし、ナインは10年前から(天使界では1年前にあたる)守護天使の任についている。
まだまだ新人、という訳だ。
すっかり説明が長くなってしまったが、その守護天使像の前に、
ニードとナインは立っていた。ついでに、スラリンもナインの頭に乗っかっていた。
ナインはニードに呼び出しをくらったのである。
リッカは、ナインがニードに変な事をされないかと心配していたが、
そういう事をされたらナインの剣がものを言うだろう。
「お前に頼みがある」
ニードは腕を組み、難しい顔をしている。
「頼み……? リッカに告白するのを手伝えばいいのか?」
「ああそうだ、リッカの奴かなり鈍いから——」
言ってから、はっと気づく。
「って違ーーーーう!! つーかなんで俺がリッカの事好きだっての知ってるんだよ!?」
「なんで、って……キミの事、噂になってるけど」
嘘だろおぉぉぉぉ、とニードはうなだれた。
ぶっちゃけ、噂になっているのはニードだけではない。
今、彼をからかっているナインもその対象になっていた。
あの大地震の日を境に、魔物たちは力を増した。
守護天使と同じ名のナインを“疫病神”という者もいる。
掌を返したような反応やイタイ人を見るような視線を送ってくる村人にはもう慣れた。
「……要件」
ぼそり、と呟くようにナインはニードを見下す。
身長は、大差をつけてナインの方が大きい。
“大柄”、というよりは“針金のような身体”と言った方が分かりやすいかもしれない。
本人は気づいていないが、割と顔が良い——俗に言う“イケメン”——のも手伝って、
密かに若い娘には黄色い声を上げられたりしている。
「は? 要件……あぁ、そうだった、そうだった。
お前の為に説明してやるとだな!」
かなり上から目線の物言いだが、ナインは気にしない事にした。
この人間は、かなり傲慢なのだ。
まぁ、人間はある事を機会に良い人間になる、と師匠も言っていたから気にする事ではあるまい。
<作者>
スラリンは脳内年齢5〜7歳くらい。
結構幼いですが、賢さと体力が並みのスライムよりも高いです。
ナインは色恋沙汰は他人の事だったら鋭いけれど、自分の事については超鈍感。
私の拙い文章では表現できないのでここに記します。
次回からオリ設定入ります。