二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【ドラゴンクエストⅨ】スライムと元天使の冒険! ( No.9 )
- 日時: 2012/06/05 21:52
- 名前: 怡執 ◆i0yxwOSY66 (ID: OewqiabW)
道中、魔物は皆ナインたちを避けた。
人間には分からなくても、魔物たちにはナインが守護天使である、という事が分かるのだろう。
まぁそれ以外に、ナインの頭の上に乗るスラリンの殺気もあったりする。
『ナインを傷つける? ぼくはそんなの、認めない!!』
そのほかにも、様々な理由があって殺気を放っていたりする。
思った以上に、ナインの頭の上は居心地が良かった。
戦う、となればそこを下りなければいけない。
スラリンはそれが嫌だったのだ。
尤も、ナインはそれを知らないが。
——今日は随分、魔物たちが大人しいなぁ。
のどかなウォルロ地方の日が南に昇る頃、峠の道にたどり着いた。
歩みを進めるナイン。 だが、すぐにそれを止める。
「…………!?」
頭上のスラリンからは、「ぴきー(訳:すごーい)」という声が聞こえた。
ちなみにこの声はステルスにより完全シャットダウン。 ステルスすげー。
彼らの目に映るのは、くすんだ黄金色の車体。
かつて天を走った汽車。
イザナウ
天使を“神の国”へと誘う、と言われていた、
「…………天の箱舟…………」
頭上にいるスラリンでさえも聞き取れないであろうくらいに小さく、低い声で呟く。
イカズチ
そう、天使界を襲った邪悪な雷によって女神の果実もろとも地上に落ちた、天の箱舟。
それがまさか、こんな所に落ちていただなんて。
ぽかん、とした表情のナインに、ニードは
「ただ木が倒れているだけじゃねーか。そんなに珍しいのか?」
おかしな奴、俺は先に行ってるぞ、と土砂崩れの現場に駆けて行った。
人間には、天の箱舟が見えないらしい。
うん、と頷いてニードをやり過ごし、天の箱舟のドアに手をかける。
「……」
開かない。操縦者でないと入れないようになっているのだろう。
はぁ、と溜息をつき、ニードの行った所に向かった。
しかし、スラリンとナインは気づかなかった。
木々の隙間から、一人と一匹を見る桃色の光の存在に。