二次創作小説(映像)※倉庫ログ

からくり卍ばーすと ( No.21 )
日時: 2012/06/15 22:54
名前: 月森和葉 (ID: Lx/gxvCx)

後付のお話をしたいと思います。

稟祢と蓮夜、瑠華が出会った話です。
ちとシリアス入ります。









「おねえちゃん、だれ?ぼく、れんやだよ」
 子供らしい、幼気な瞳だった。
 丸いあどけない水色の瞳が、くりくりと動く。
 その瞬間、桃色の瞳が驚きに見開かれた。
「どうしたの?れんくん」
「りんねおねえちゃん」
 慌てて声の方向を見ると、少年にそっくりな、しかも同い年くらいの少女が笑っている。
 心臓が早く鳴り出した。
 そして、同時に笑いが込み上げてきた。
「…坊や、蓮夜って言うの?」
「そうだよ。ぼく、れんや。こっちはりんねおねえちゃんだよ」
「…そう、なの…」
 瑠華は何も言わずに、公園を立ち去った。
 誰も居ない路地裏をたった一人で歩いていると、自然と笑いが突き上げる。
「あはは……あはははははははは……!!」
 何もない、誰も居ない、暗い道。
「あはははははははははは……!」
 そこに、甲高い女の笑い声が響き渡った。

からくり卍ばーすと ( No.22 )
日時: 2012/06/17 10:41
名前: 月森和葉 (ID: Lx/gxvCx)

「やめて!」
「なんでこんなことするの!?」
「おねがい!おねえちゃんは—」
 泣き叫ぶ二人の幼子に、瑠華は容赦なく冷たい刃を落とした。
「あああああぁー!!!」
「れんくん!」
 弟の名を呼ぶ稟祢の身体も、真っ赤に染まっていた。
「…五月蠅い」
「やめて!やめてよ!はなして!」
 瑠華は稟祢の小さな身体を抱き上げると、そのままどこかへ行ってしまった。
「…おねえ…ちゃ…ん……」
 少年の姉を呼ぶ声も、最早誰にも届かない。
 片方の光を失った少年が最後に見たものは、桃色の髪の女にたった一人の家族が浚われて行くところだった。

「稟祢ちゃん、蓮夜君、遊びに—」
 まだ学生だった冥瑚が、親友の遺した子供達を見に来たとき、冥瑚は仰天した。
 家の中は真っ赤な血に染まり、その血の中で双子の片割れが倒れていた。
「蓮夜君!」
 慌てて抱き起こすと、冥瑚の両手に血がこびり付いた。
「蓮夜君、しっかりして!どうしたの?何があった?稟祢ちゃんは?」
 言いながらも、冥瑚は思った。もう、この右目は、使えない。
「おねえ…ちゃん……。ぴんくの…」
 そこで蓮夜は全身の力を抜いた。
 気を失ったのだ。
「ピンク…?」

「…瑠華、何を…拾ってきたの…?」
 多少の返り血を浴びた瑠華、血に濡れた刃、そして、抱えた幼子。
 その幼子に見覚えがあった。
「稟祢…?」
 まだ、冥瑚ともに学生だった魅玖琉は動揺を隠しきれなかった。
「あなた、その子をどう—」
「魅玖琉さんには関係ありません」
 魅玖琉は、ただその場に立ちつくすしかできなかった。

「新入りの、瑠華だ」
 蓮は、自分の心臓が跳ね上がるのを感じていた。
 この女に、見覚えはない。なのに、何でこんなに胸騒ぎが—?
 瑠華には、冥瑚も胸騒ぎを感じていた。
(ピンク…と蓮夜は言った。それならば瑠華も該当するだろう。しかし、あれはもう十年以上も前のことだ。瑠華はまだ小学生程度の筈—。)
 そう、瑠華は年を取らないのだ。
 悠久の魔導師から永遠を貰ったとか、瑠華自身が永久の魔導師だという説もある。
 しかし、ここにいる人々は、それを知らないのだ。
 たった一人、魅玖琉を除いて。

 魅玖琉は悩んでいた。
 このことを、冥瑚に言うべきか、言わないべきか。
 そして、魅玖琉はひとつの答えを見出した。
 この子を、犯罪者を殺す、犯罪者にしてしまおう—。
 いつか、出会えるはずだ。
 犯罪者に対する憎悪を山ほど抱えている弟に。
 弟の蓮夜は、冥瑚が引き取ったはずだ。
 ならば、その内組織に入ることになるだろう。
 あるいは、こちらから出会うようにし向ければ良いのだ。
 いつか、引き裂かれた双子が、幸せな出会いを向かえるために。