二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: サンドスクレイパー Another story ( No.2 )
日時: 2012/06/04 07:17
名前: 奏緋 (ID: gOceoAmU)

「そう言えば父さん、明日はサンドスクレイパーがこの町に来る日だね!」
「そうだ、サンドスクレイパーと言えばジン!お前、倉庫にある“アレ”磨いておけよ?」
「……はい」

ジンは聞こえるかそうでないかの声で返事をして、ふらふらと倉庫へ向かった。

「父さん、ついに“アレ”が僕のモノに……!?」
「ああ、そうだ」


「ここ、だっけなぁ……」

ジンは倉庫のいかにも重そうなシャッターをやっとの事で上まであげると、中へ入っていく。

「うわ、埃っぽい」

ジンは一、二回咳をすると、迷いも無く奥へ向かった。

「そうそう、これだ」

たいそう嬉しそうな声でジンはそれを丁寧に磨き始める。
元々茶色がかった黄色だったであろう色が埃を被ってしまっていたが、次第に色を取り戻していく。

「……終わった」

ジンはぽつりとそう一言言うと、倉庫を去ろうとした。

その時。

『オイお前、この俺は誰に乗られるんだ?』
「……は!?」

ジンはしばらく周りをキョロキョロしたが、言葉を発せるものが自分しかいないと分かると、「幻聴」と判断した。
ただそれは常識の範囲内で、な訳で。
常識以外だったら何が喋ってもおかしくはない。
そう、例えば。

『俺はさっきお前が磨いたバイクだよ!』

さっきまで磨いていたバイクが喋ってもおかしくは……無い。