二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: サンドスクレイパー Another story【コメ下さい】 ( No.5 )
日時: 2012/06/06 14:21
名前: 奏緋 (ID: gOceoAmU)

「……え?」

息子は訳が分からないと言いたげな表情で父親に助けを求める。
訳が分からないのは一体どの部分なのか検討もつかないが。
バイクが喋っている事か、それともバイクが「息子のバイクにはならない」と言った事か。
はたまたその二つともか。

「お、おいバイク!お前は黙ってこの子のバイクになればいいんだ!毎日整備だってしてやる!」
『毎日、誰が整備すんの?』
「そこの薄汚いジンと言う名のカスがな!」
『……ふーん』

カス、と言われて少し腹が立ったがこの怒りは何処にもぶつけられない。

『……俺さ、毎日じゃなくてもいいから自分を使ってくれる人に整備されたいんだけど』
「父さん、このバイク黙らせといて」

感情を出来るだけ押し殺した声で息子が命令する。

「でも、このバイクは僕の玩具だからね?」
「……分かってるよ……」

そうして資産家家族とメイドは退散していった。
ただ一人、ジンを除いて。

『お前、ジンって言うんだな』
「ああ。じゃあお前は何て名前なんだ?」
『名前?んなの知らねぇ。ただ一つ名前みたいのがあるが……』
「へぇ。じゃ、それ名乗れば?」
『したいんだけどなぁ……それが無理だ。それよりジン、バイクの操縦分かるか?』

何言ってるんだ、コイツ。
ジンは不思議に思いながらも首を横に振る。

『じゃあ俺がやり方を教えてやるから、お前はとりあえずそこの茶色のコート着ろ。夜は冷えるからな』
「え、ちょ」
『燃料は充分だな……よし』

もっと頭が混乱してきた。

「えっと、何する気だよ……?」

返答は、思いがけないものだった。



『決まってるだろ?“この町から出る”んだよ』