二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 【イナイレ】短編集【リク受付中】 ( No.4 )
日時: 2012/06/04 16:13
名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: SGJxjeZv)

『おそろいのポニテ』

「いっく〜ん、朝ご飯だよぉ。降りてきてぇ」
「ん〜、分かった」

 髪の毛を結んでいる最中だったが、姉に呼ばれたので急いで部屋を出る。
 リビングに降りると、姉さんが高校の制服姿で朝食を準備していた。

「あ、いっくんおはよ。あれ、髪の毛どしたん?」
「時間がなくて……」

 けれど、今日は珍しくも朝練がないから時間に余裕がある。
 急がなくても良いか、ともさもさとハムパンをかじると、姉さんがくしとゴムを片手に微笑んでいた。

「ん?」
「久しぶりに、姉さんが結んであげるぅ」
「は?」

 抗議の声を上げる前に、姉さんは俺の背後に回って髪をすき始める。
 もごもごと口を動かすと、楽しそうに笑う姉さんの笑い声が聞こえた。

「いっくんの髪の毛やるの、久しぶりねぇ〜。さらさらしてる〜」
「そ、そう……?」

 普段人に触られない髪の毛を触られて、ちょっとドキドキする。
 たしかに、姉さんに髪をいじられるのは久しぶりだ。小学校の頃はよく結んでもらったけれど、互いに忙しくなってからは自分のことが精一杯で、姉さんのことを気にしたことはなかったし。
 
「ん〜……。いっくんはいつもポニテだねぇ。何か理由があるの?」
「えっ!?」

 急な質問に、俺は思わずどもる。
 り、理由って言ったって……。

「……いっくん?」
「それ、答えなきゃダメ……?」
「え〜っとねぇ……。うん、ダメ」

 やんわり笑顔で言われてしまった。
 ……仕方ない。本当は言いたくないんだけど。

「姉さんも、ポニテだから」
「……わたし?」
 
 うわぁ。今絶対俺、顔赤いって。
 背後にいる姉さんに気づかれないように、そっと顔を覆う。どうか気づかれませんように。
 そんな俺に気づいたのか、姉さんが笑う気配がした。

「そうだったんだぁ。かぁい〜。姉さん、ますますいっくんが好きになっちゃうよ」

 できた、と言われて髪を触っていた温もりが消える。
 少し残念だな……なんて思っていると、背中全体に暖かみがきた。
 むっ、やわらかいぞ……?

「姉さん!?」
「えへへ。いっくんは本当に可愛いなぁ」
「姉さん、男に向かって可愛いはやめてよ……」
「いっくんは弟だも〜ん」
 
 それって、男に見られないってコトか……?
 ちょっとショックだったが、楽しそうに笑う姉さんを見て、何も言えなかった。

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風丸君がお姉さんに髪の毛を縛ってもらうっていう、妄想です。

ちょっとほのぼの系なお姉さんに振り回される風丸くんが可愛いw
今後もこの姉弟の物語書きたいなぁ←