二次創作小説(映像)※倉庫ログ

【がくっぽいど生誕祭】約束/のりぴー ( No.115 )
日時: 2012/07/31 08:41
名前: 月森和葉 (ID: ngsPdkiD)

はい、つーわけでがくっぽいど生誕祭でございます。
誕生日&4周年おめでとう!
SCLの新曲も発表されましたが、私はV3の声はあんまり好きじゃないですね。。。
この期間中は多分スレッド一つごとにひとつのお話になると思います。

約束 のりぴー feat 神威がくぽ
「右肩の蝶」で有名なのりぴー様の作品です。
友情に恋に勉強に自分の未来にと、この世の色んな事に葛藤する男子高校生のイメージで書きました。




『神様、僕は幸せになってもいいのでしょうか?』
『神様、僕は幸せにしてあげられるのでしょうか?』
 僕の思いは、本当に届くのだろうか?

 家に帰ると、誰も居ないというのにテレビがつけっぱなしになっていた。
 僕は見るともなしに、テレビの前に座りこんだ。
 音が僕の脳裏を過ぎっては宙に消えて行く。
『次のニュースです。本日未明、○○県で六十代の男性の刺殺体が発見されました。警察は……』
 悲しいことはどこにでもある。
 このテレビの向こう側に、幾らでも溢れている。
 僕はただここに座っているだけなのに、社会に必要な人や、僕より優しい人が、何でもないように消えていく。
 独りでに涙が頬を伝った。
 命の価値が同じなのだとしたら、何が違ってしまったのだろう?
 誰か教えて。
 どうして僕は、今ここで生きている—?

 手を伸ばしても、何も掴めずに宙を彷徨っては僕の元へ虚しく戻ってくる。
 それでも、伸ばさずにはいられないんだ。
 この頬を伝う涙は誰を思って溢れるのだろう?
 それでも、その涙は無意味なのだろう。

 悲しいことはどんなことであろうと、時と共に忘れてしまうだろう。
 でも、それでも胸を裂くような苦しみはいつまでも忘れないように、必死に心に刻みつけようとする。
 命の価値を何処かの誰かが勝手に決めたのだとしたら、僕の存在意義とは何なのだろう?
 誰かに伝えて欲しい。
 僕が、君がそこで、生きていくという意味を。
 僕は、どうして生きているのだろう—?


『叶えたい想いがあるから』
『守りたい命があるから』
『愛してる家族がいるから』
『幸せにしてあげたい人がいるから』
 少女の声だった。
 その声は、僕の心に直接響くように入っていった。


 こんな僕でも気付いたことがある。
 人間は誰しも知っている、とても簡単なこと。
 僕は、この言葉を忘れない。
 誰も見向きもしない、けれども大切な約束。
 僕は決心した。
 空の上に居るかも知れない神様に向かって話しかける。
『神様、僕は幸せになりたいと願っています』
『神様、僕はみんなを、幸せにすると、約束をします』
 神様から答えは無かった。
 でも、どこかで誰かが笑っているような気がした。