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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 【がくっぽいど生誕祭】Episode,0/かにみそP ( No.118 )
- 日時: 2012/08/01 07:59
- 名前: 月森和葉 (ID: ngsPdkiD)
おはようございます月森です
まさかの朝家に自分以外居ない状態だったので朝飯食いながらポチポチやってます
がくっぽいど生誕祭第二弾
Episode,0 かにみそP feat 神威がくぽ
です。
「ダンシング☆サムライ」の前世のお話ですが、どうしてそうなった!?って言いたくなるような前世。
そう、俺は、夢を掴む者。
野望のためなら何も省みずに、己の身体と刀を赤く染める。
今の世は戦国。
この世が世であるから、何を犠牲にしても、絶対に天下を奪い取ってやる。
何もかも省みることは出来ない。
故郷の母のことでさえも、一時は忘れようとした。
その所為か。
自らの未熟さに気付けず、気付いたときにはもう遅かった。
俺の身体は、真っ赤な血に濡れていた。
幾度となく続く、残酷な戦。
地面には、戦の遺した多大な爪痕。
俺達は、敗れたんだ。
負けた弱き魂には救いもない。
冷たい雨は、無情にも俺達の上に降り注いでいく。
仲間達の墓標の上に、夢は儚く雨と共に露と散る。
遠くから風に乗って聞こえてくる唄。
優しく、悲しい旋律。
幼い少女の声。
何処かで歌っているのか。
優しい歌声が、辺り一面に響き渡った。
ふと、俺の頬を涙が伝った。
枯れたはずの瞳から止め処なく溢れる、温かい雫。
忘れていた温かさ。
遠い故郷が思い浮かんだ。
もう何年も帰っていない。
その歌声が俺に気付かせた。
敗者である俺に、優しく語りかけてくる。
『平穏が一番大切』だと。
もし、人間が生まれ変われるのだとしたら。
この声の少女のように、歌で人を救えるような、そんな存在になりたいと思う。
今の俺が、そうであるように。
俺の歌で救われる人が在るように。
誰かの重荷を外せたなら、どんなに良いだろう。
嗚呼。
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