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【がくっぽいど生誕祭】蜃気楼のジャンナ/ちーむ炙りトロ丼 ( No.123 )
日時: 2012/08/02 08:38
名前: 月森和葉 (ID: ngsPdkiD)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode

がくっぽいど生誕祭第三弾
蜃気楼のジャンナ ちーむ炙りトロ丼 feat 神威がくぽ
です。
「ジャンナ」とは「楽園」と言う意味らしいです。
「蜃気楼の楽園」なんて、ファンタジックで素敵ですね。





 ジャンナ—それは即ち、楽園。
 ここは蜃気楼の楽園。
 蝶が艶やかに舞う姿は、まるで手招きのようで、私を楽園へと誘う。
 におやかに燻る煙は、彼の部屋の証。
 そして、彼は言った。
「君を、ずっと待っていたよ」
 アラベスク—特有の唐草模様は、月に照らされて妖しく光り、彼の元へと導く。
 恭しく差し伸べられた手。
 さあ、始まる楽園の饗宴を。

 乾く間もなく、溢れてくる、甘い蜜。
 注ぎ、満たし、君を惑わせてみせよう。

 さあ、グラスが割れるほど、狂おしく踊ろう。
 気にしてはいけない。
 さすれば、楽園は永遠に君への入口を閉ざす。
 天を巡る星は、永遠にその理を止めることは無い。
 星と共に、永遠に開けぬ夜を生きよう。


 灼熱の砂漠より、扉の向こうにある蜃気楼の宮殿へ。
 出口など無い。
 永久に出られることはないのだから、ここで。
 二人、溶けてゆきたい。

 もう二度と帰ることはない太陽と、貴方の声。
 もう一度、千夜一夜の物語を。
 白絹を思わすような、君の素肌。
 唇で散らして見せよう。
 その、赤い花弁を。

 さあ、私を誘うラインと、それをなぞる指と。
 ゆっくりと、でも確実に、焦がれていく鼓動。
 月は沈み、また昇る。
 永遠に繰り返される運動。
 そして、それに続く紫の諧調。
 底を突くことを知らない欲望と、咲き乱れる花。
 さあ、狂おしく踊ろう。
 天を巡る星は、永遠にその理を止めることは無い。
 ならば、星と共に、永遠に開けぬ夜に生きよう。