二次創作小説(映像)※倉庫ログ

背徳の花 ( No.148 )
日時: 2012/08/12 08:32
名前: 月森和葉 (ID: ngsPdkiD)

夏休みに入ってやっとまともな休みがはじまったのでテンション上がってる月森です
調子に乗ってカンタレラ/黒うさPとか書こうかなとか思ったらチェーザレ・ボルジアとかルクレイツァ・ボルジアとかガチで調べなきゃいけない感じだったので、面倒なのでやめます^p^




 美しく染まる少女の香りは甘く、華霞に霞む朧の月は闇を煌々と照らし出す。
 まるで花弁が舞い散るように狂おしく踊る娘は、常夜を彷徨う花の精と呼ばれた少女。
 少女の放つ、甘い蜜の香りに誘われてひらりと舞い降りたのは、気高き羽。
 その凛々しい瞳に熱が灯り、少女を見留めてふわりと優雅に微笑んだ。

 青年と少女の、甘い視線が絡む瞬間。
 二人は、恋に落ちた。
 少女の心臓が高鳴る。
 ただ見つめ合う。
 名前を呼ぶ。
 微笑みを交わす。
 誘われるままに、戯れに手を伸ばし、それを摘み取った。

 永遠の夜に舞い散る華に酔い乱されて、狂い咲いた恋心。
 その身体を滴るように伝う蜜は甘く、毒に侵されてただ堕ちていく。
 花の香りは、背徳さえ熱情としてしまう。
 花を手折った盗人は、罪滅ぼしに囁いた。
 虚像の愛、其処には存在しないはずの愛を。
「知りたいのなら、」
「知りたいのです」
「暴いてみせて」
「暴いてみせる」
 ゆっくりと、罪の連鎖に堕ちてゆく。