ALLジャンルのオリジナル小説、ライトノベル、二次創作、ss小説やイラスト投稿なら「小説☆カキコ」

　花盗人の青年は、罪滅ぼしをした。
　華の元で、虚像の愛を囁く。
「気付いているんでしょう？」
「お望みならば…」
「お願いだから…」
「攫っていくよ？」
　戯れの、言葉は虚空に吸い込まれて消えた。

　在る夜、狂おしく舞い散る華に酔い乱されて、咲き誇った恋心。
　許されぬ恋。
　叶わぬ想い。
　二人を分つ、消せない運命。
　本当の想いは、何処か遠い空へ葬った。

　花盗人は罪滅ぼしに、永遠の愛を囁いた。
「愛しているのなら」
「儚い夢よ」
「振り返らないで」
「終わりにしよう」
　二人、またいつか。
　出会える日まで。

　さよなら

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈〈 終 〉〉