二次創作小説(映像)※倉庫ログ

深海シティアンダーグラウンド ( No.7 )
日時: 2012/06/13 17:47
名前: 月森和葉 (ID: Lx/gxvCx)

深海シティアンダーグラウンドです。




 此処の名物料理と言えば、金縛りの蝸牛。
 料理とは思えないネーミングだけど、食べてみると以外と美味しいのよ?
 その辺にいる野生の蝸牛は、ゴロゴロ回すと、中から鳥みたいな声がして面白い。
 「威嚇の為じゃないか」ってエラい学者は言うけれど、そんなの威嚇になんかなりゃしない。
 ばっかじゃないの。蝸牛とエラい学者。
 でも、金縛りの蝸牛はすんごく硬い。
 まるで鋳型に流し込んだばかりのセルロイドのように弾力がある(でもセルロイドは食べたこと無い。逆に食べたことがある人が居たら、あたしは正面切って「なんで食べたの?」って聞くと思う)。
 で、今あたしの目の前でそれを食べているのが(蝸牛をよ?セルロイドじゃない)、あたしの好きな人。
 でも水面が赤く染まってくると、彼はいつも帰ってしまう。
 地面に潜り込むように、ずぶずぶと。
 夕暮れなんか此処では関係ないのにね。
 あたしは一回それについていったことがあるけど、行き着いた先に彼は居なく、あたしは、いつもの暗い地下室の鋼の扉の前だった。
 その日、あたしは真っ赤に発熱した四角い金貨を拾って、手に四角い火傷の後が出来た。
 次の日には無くなってたけどね。
 その熱さで幻から冷めたのか幻を見たのか分からない。
 分かることは、三足の烏がまたあたしを見つめてて、あたしは案の定トリソミー。やめて欲しい。
 帰り道、二階建てのバスがあたしの横を通り過ぎてった。
 予定時刻過ぎてるけど、良いのかな。
「さよーならー」
 声がした。ハッと顔を上げると、バスの運転手があたしに向かって手を振っていた。
 前見て運転しなさいよ。
 その内どこかにぶつかっても知らないわよ、あたし。
 そしたらすぐに大きな爆発音がしたけど、運転手は笑顔で海中を漂っていたから良いんじゃない?乗客も居たとは思えないしね。
 そこで少しだけ自己嫌悪に陥って、あたしは真っ黒に染まった。





次回、鏡音リンが世界を救う!!