二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 茨まみれのシンデレラ 第5章 ( No.15 )
- 日時: 2012/07/06 20:22
- 名前: 緋賀アリス (ID: 35AN48Qe)
「僕と契約して、魔法少女になってよ!」
「はい?」
「君は巴マミに憧れているんだろう?」
確かに、そうだ。憧れている。あんなに、優雅で華麗な人、誰だって見たら憧れるだろう。というか目の前の正体不明の動物(?)が喋っているのに驚く。
「そうだけど」
「君もなれるよ、魔法少女になればね?彼女も魔法少女さ」
「マミさんが、魔法少女??」
「彼女は、いつもさっきみたいに戦っているよ」
さっきみたいに、という事は「これ」は私がマミさんに助けられているのを見ていたのか。マミさんがいつもあんなのと戦っているなんて。
「そこで僕が来たわけさ、君は魔法少女なれる上に願いが一つ叶えられる、こんなに美味しい話はないと思うけど?」
「いやだからさ……」
誰だっていきなり願いが叶うなんて言われたら困るだろう。そもそもつい30分位前に起きた事を頭のなかで整理するので大変なのにそんな事まで考えていられない。
「取り敢えず、考えさせて、まだ状況がわかんないし」
「そうかい?なら無理は言わないよ。今日は変えるべきみたいだね」
彼(?)が走り去っていこうとする。
「ちょっと待って!」
「どうしたんだい?」
「名前……教えて」
「キュウべぇだよ。つぼみ、よろしくね」
キュウべぇが大きな白い尻尾を揺らして駆けていく。
——「はぁ……」
家に帰ると急に疲れが出てきて、夕飯を食べたら直ぐにベッドに横になってしまった。今日は色々あったな……転校生がやって来て、彼と同じ委員会になって、それから不思議な
体験をして、キュウべぇに会った。
「魔法少女ねぇ……」
魔法少女なんて、日曜日の朝のテレビの中らへんにしかいないと思っていた。というか今も若干そうだ、でも……もし本当に願いが叶って魔法少女になれるなら、それはそれで悪
くないかもしれない。
「私が叶えたい願いってなんだろう?」
やっぱり『億万長者になりたい』とか?あぁ正義の味方らしく『世界を花で一杯にしたい』とかもカッコいいな、あぁでも『素敵な彼氏』とかもいいな……。
頭の中に藤宮君が浮かぶ。今の自分にとって『素敵な彼氏』で一番に想像するのは彼なのか。
色んな事を考えていたら瞼が自然に落ちてきた、口から大きなアクビがでる。
「今日はもう寝よう」
——また明日、藤宮君としゃべれますように