二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ポケットモンスター 昔の自分、変わった自分 ( No.1 )
- 日時: 2012/07/06 01:27
- 名前: 作者くしゃくしゃ ◆HOZN/8Uj3A (ID: UruhQZnK)
英伝の翌日ぐらいに更新すると言いましたがプロローグだけは先に更新します。
プロローグ
果てしない砂漠に存在する美しき水の町”フェナスシティ”
もうすぐ9歳になる少年”フラット”と少女が町の大きな噴水を眺めていた。
「ねえフラット、明後日から会えなくなるって言ったらどうする?」
少女は悲しげにそう言った。
「どうしたのいきなり?」
この言葉を返した後、1分程少女は黙り込んだ。
「……実はね私、グスッ、遠くに、ひ、引っ越す事に、グスッ、なったの」
少女は涙を流し泣きながら言いたい事をを伝えた。
「なんで、なんでなの?」
「お、お父さんの仕事の、つ都合で、ぅっうわぁぁぁぁん」
少女はその場に崩れ落ちた
翌日
「フラット、朝ご飯出来たわよ起きなさい」
母親が起こしに来たが彼は起きようとはしない。
「” ”の事は聞いたわ、辛いのは分かる。でもねそんな事でうじうじしても変わらないじゃない」
「グスン、でも辛い、悲しいもん」
フラットは泣いていた。
「男の子でしょ、” ”の出発は明日なんだから今日中にお別れを言ってきなさい」
「お父さん、おはよう」
いつもはうるさいぐらい元気な彼の声はショックと泣きすぎの影響で小さくあまり聞き取れなかった。
「なあフラット” ”が引っ越すのは残念だと思う。だけどな、人生なんてそんなもんなんだ。それに一生会えないとは決まって無いぞ。お前が大きくなってポケモンを持って旅をすれば会えるかも知れない」
「少し出かけて来る」
「どうしたのフラット?、話がしたいっていきなり呼びだして」
「……ねえ” ”どこに引っ越すの?」
彼は静かにそう言った。
「……イッシュっていう地方だけどそれがどうしたの?」
少女は不思議そうに首をかしげた。
「決めた。大きくなったら会いに行く」
「いきなり何?」
「だから大きくなったら” ”のことを会いに行く。だから約束して、僕の事忘れないって」
フラットは小指を伸ばした。
「フラット……ありがとう。約束ね。貴方も忘れないでよ」
「うん」
翌日
水夫たちがたむろす港町”アイオポート"
「この船に乗ってこの地方とお別れをするのね」
少女は既に両親と大きな船に乗りこんでいた。
(まもなく出発いたします)
「フラット、やっぱり見送りには来ない……か」
アイオポートはフェナスシティから歩いて4時間、砂上バイクでも1時間は掛かる。親が付いてきてもとても見送りに来れるような距離では無かった。そのため少女は彼の見送りなど期待はしていなかったのだ。
「フラット、幸せになってね」
「おーーい」
「フラット!?」
この声はフラットの声だ。
「フラット、どうやって」
船はアイオポートから大きく離れていた。
「遅くなったけど見送りに来たからねー」
「どうして、どうやって」
フラットの叫び声は小さいながらも確かに聞こえる。
「フラット、待ってるからね、ずっと待ってるからね」
少女は遠くに見える小さなフラットに向かってそう叫んだ。
「うん、約束守るからね。待っててね……さようなら!」
「バイバイ、フローカ」
「間に合ってよかったな」
「あっレオ博士、ポケモンありがとうございます」
「エアームドの空を飛ぶのスピードはオーレ1だ、フェナスからここまでは数分で付く」
「そう言えば博士はどうやって来たんですか?」
「内緒だ」
二年後
「フラット、いるか?」
レオ博士がフラットの家を訪ねて来た。
「いますけど両親は留守ですよ」
「お前が居ればいい。大至急研究所に来てくれ」
レオの表情はいつもより暗かった。
「分かりました、すぐ支度をします」
「お父さん……お母さん、博士これって一体どういう事ですか?」
フェナスシティの隅にひっそりと佇むレオの研究所で見たのは、認められない光景だった。
そう、彼の瞳に映ったのは白い布で覆われていて話しかけてもピクリとも動かない両親の姿だったから。
「フラット、残念だが」
「博士何があったの?ねえ教えてよ」
「落ち着いてフラット君」
レオの妻、ミレイはフラットを別の部屋へと連れて行った。
「レオ博士はいらっしゃいますか」
スーツを着た男が勝手に研究所に入ってきた。
「どなた様ですか?」
「私は国際警察の者です。コードネームはハンサムです」
「国際…警察?」
レオが驚くのは無理も無かった。
国際警察とはほぼ全ての地方で、事件の調査を行う機関であるが、オーレ地方にはべつの警察が居るので国際警察が介入する事がほとんどない。その為知らない人も多い。
「で、国際警察が何の用です?」
「何が起きたかを調査しにまいりました。なのでご協力ください。」
「ストレートですね、分かりました協力しましょう。まず私が調査した結果だと二人はポケモンを使った毒で殺されています」
「お二人の遺体以外にも野生のポケモンの死体もあったそうですが」
「ええそうです。つまりお二人を狙った暗殺か、それともポケモンを虐殺するテロ集団の行動に巻き込まれたか、この二つのどちらかが当てはまります」
「この短時間でこれだけ調査するとは」
「本当なんですか?」
こっそり話を聞いていたフラットが飛び出してきた。
「あの子は?」
「二人の子供です」
フラットは二人に近づきハンサムの足にしがみ付いた。
「ねえ刑事さん、本当なの?テロの巻き込まれたって本当なの?」
「辛いと思うけど可能性は高い」
その言葉を聞いた瞬間研究所から飛び出して行った。
5年後
「そこの君、レオ博士の研究所って知ってる?」
黒い服を着た金髪の女性がフラットに研究所にの場所を尋ねた。
「知ってる」
「ホント?、教えて?」
「ついてこい」
「おー、シロナじゃないか」
「お久しぶりですレオ博士、それにミレイさん」
ミレイはシロナに頭を下げた。
「私を案内してくれた子ですが、お二人の子供ですか?」
「いや、かれの身内が色々あってね、預かってるいるんだ」
「そうですか、、それにしてもやけに無口ですね」
「ああ、ちょっとあってな、それより用事ってなんだ?」
「これです」
数日後
「フラット、旅をしてみないか?」
「旅?」
「君みたいな年代だとそう言うのに対する興味が湧くからさ……もしかして興味無い?」
「無い訳では無い。ただ悪くないかも知れない」
「そうかい、ならしてみたらどうだ」
「いいのか?」
「もちろん」
数日後・アイオポート
「言って来る」
「寂しかったら電話してくれ」
「カントー地方に行ってもがんばってね」
ミレイはそう言って傷ぐすりを手渡した。
(まもなく出発いたします)
「行って来る」
フラットはそう言って船に乗り込んだ。決して振り向かずに。
船はゆっくりカントー地方へと向かっていった。