二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第2話 気になるアイツ ( No.8 )
日時: 2012/08/10 14:10
名前: のあ (ID: 6..SoyUU)

「エイト!ちょっと待って〜!!」
 
 トラペッタ?だがに向かう途中、私は前をすたすたと歩いていくエイト(ちなみに「エイトでいいよ」って言われたので呼び捨て)に、ちょっと待ったをかけた。…だって、このままのペースで行くと…死んじゃうよ…

「どうしたのー?レーナ?」
「ちょっと歩くペース遅くしてくんない?じゃないと…(チラ)」
「(ハアハア)あ…兄貴…(ゼエゼエ)速い…で(ゲホゲホ)ガン…ス…(グハア)」

 ヤンガスが。

「ヤッヤンガス!?そんなに疲れるほど歩いたっけ!?」

 急いで走ってくるエイト。…君はそう言ってるけど、常に小走りでいることないと思う。私も結構ついていくの必死だったよ?
 って言うか最後の「グハア」ってなに!?それって致命傷受けたときにする反応じゃないの!?いくら山賊でも、体力無さ過ぎじゃない!?

「あ…あっしのことはいいから…先に行くで…ガン…「うん、そうする」スウウウ!?!?」

 ひらりと身を返し、再びすたすたと歩いていく歩いていくエイト。
 さようならヤンガス。君のことは忘れない。

「それは困るでヤンス!!あっしは兄貴に一生ついていくと決めたんでヤンスから!!」
「立ち直り早っ!しかもついてきてる!?」

 な…なんちゅう……すごいね、「兄貴パワー」
 そんなことを考えながら歩いていたら、ゴンッと思いっきりエイトにぶつかってしまった。な…なんなのよ?
 
「痛っ。エイト、急に止まんないでよ〜。」
「何か…来る。」
「へ?何か?」

 あたりをキョロキョロ見渡す。けど、怪しいとこなんて…え?
 
しげみが揺れてる?

「準備して!来るよ!」
 
 エイトの掛け声と共に茂みから出てきたのは…

   スライムが現れた!!

「なにこの声!?」
「戦闘時にいっつも出てくる声だよ!気にしないで戦って!」
「気になるわっ!毎回これでるの!?」

 これを毎回無視しろって言うの!?ていうか慣れてんのここの人たちは!?
 そんなことを思いつつ、私もエイトたちの真似をして剣を構える。息を整え、スライムたちに切りかかる!!

 ……あれ?

「ぴ…ぴぎゃああ!!」

 その愛らしい姿らしく、可愛い鳴き声を上げ、まっぷたつに裂かれたスライムが消えていく。自分が死んだことに気づかないスライムもいたようで、こちらを見上げたままにたっと笑って消える奴もいて、少し虚しくなった。


パパパラパッパパッパーン♪

不意にそんな音楽が鳴り響き、またツッコミをしようとしている私に気付いたのか、エイトが先に「レベルアップの曲だよ。」と教えてくれた。確かに少し強くなったような気がする。けど、私の心は別のことに引っかかっていた。

 スライムたちに切りかかったとき、なんだか懐かしい感じがしなかった?
 
 あのとき、なんだか体が勝手に動いたような気がした。まるで、戦い方を昔から知ってるみたいに、すっと動いたような…。

 既視感デジャヴを感じながらぼうっとしていると、エイトたちが「いくよー」と声をかけてきた。「今行くー」と返しながら、ずっとそのことが頭の中でまわっていた。

=======================
「ここがトラペッタだよ。」
「ふええ、高いかべだなあ〜」
「ここにはドルマゲスの師、『マスター・ライラス』がいるはずじゃからな。ヤツについての手がかりがなにか聞けるかもしれん。」
「やっとベットにありつけるんでガスか…」

 あれから半日かかって、やっと一つ目の町「トラペッタ」に着いた。どうやら、エイトが急いでいたのは今日中につきたいからであって…まあ、少しはヤンガスのことを考えていたらしい。(優しいじゃん)
 それぞれの感想を自由に言いながら(ヤンガスだけなんか違うけど)重い門を力ずくで開く。そこで待っていたのは町人たちの優しい笑顔ー…

ではなく、 冷たい石のつぶてであった。

「イタタタタ!!」

 ヤバイ!地味にいたいよこれ!一個一個はそんなでもないんだけど、広場中の人が投げてるっぽいから、ダメージはかなり大きい!!
 なんでこんな目に!?私たちただ入ってきただけなんですけど!?

「いやああ!!魔物おお!!」
「こっち来んなあああ!!こっち見んなああ!!」
「………(トロデさん)」

 お前かああああ!!!
 なるほど、こんな姿でいるってことはこんな大変なことにもなるんだ。呪いを早く解きたいって気持ち、ちょっとわかった気がする。

「ひっひとまず街の外へ行くよ!!ついてきて!」

 エイトの賢明な判断で、私たちは一回街をあとにした…。

=======================
 話し合いの結果、トロデさんとミーティア姫は町の外で野宿することになった。
 最後まで「ミーテイアだけでも街のなかに…」と王様は言っていたけど、馬姫が動かなかったので、一緒に居ることにしたみたい。
 で、私とヤンガスとエイト、三人だけで町のなかに入ってみたけど、「さっき魔物と一緒にいた人」として覚えている人は少なくて(一人悲鳴を上げて走っていったけどね…)普通に宿屋に泊まることができた。ちなみに費用が少ないから同じ部屋でもいいよっていったら無理やり別の部屋にされた…なんでだろ?
 明日は朝から調査をするってエイトが言ってたから、早く寝よ。
 そうして私は部屋の灯りを落とした…。





























テーレッテーレッテッテッテーン♪




「なにこの音楽!?!?!?」
「お客さん!!うるさいよ!!」
「レーナ!?いちいち突っ込まないで!?」

 その夜、エイトと宿屋のご主人に怒られたのは言うまでもない。