二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 第4話 塔での珍道中 part3 ( No.104 )
- 日時: 2012/12/28 22:38
- 名前: のあ (ID: kEC/cLVA)
「…ふむ。地図によると、ここの階段を上がっていくのが頂上への最短ルートみたいだね。どんな敵が出るかもわからないから、気をつけていこう。」
「ほーい。」
「………(へんじがないただのしかばねのようだ)」
「…おーい、ヤンガス?」
返事がないのでそちらを見ると、頭と背中が焼け焦げたヤンガスが目に入る。ぶち切れたエイトにくらわされたギラは思った以上に効いたようで、未だに微動だにしない。
エイトはそんなヤンガスを見ると、小さくため息をつき、つぶやいた。
「ヤンガス、『起きろ』」
「はいっ!わかったでガス!!」
「おぉう……」
どうしよう…エイトがもう主人公補正が効かないとこまできちゃったよ…(汗)
滝汗をかいているヤンガスを見ながらそんなことを思っていると、不意にエイトがピクリと何かに反応した。
「エイト?何が——」
キィィンー!!
金属が擦れるような音と共に、一陣の風が吹いた。
それと同時に軽快な音楽が流れ、私たちのレベルがアップする。
…ぇ?今、何が?
「エイト……今、何したの?」
「ん?そこにいたメタルスライムを倒したんだ。」
「メタル…スライム?」
「そう。スライムの仲間で、倒すとたくさん経験値が手に入るんだ。だからレベル上げにもちょうどいいんだけど、逃げ足が速いからなかなか倒したり見つけたりはできないんだよ。」
「へー…」
確かに私のレベルは13に上がっていた。レベルアップが近いせいもあるだろうけど、2段階の上昇はすごい。世の中にもいろんな魔物がいるんだなぁ……。
「でも…おかしいな。確かこの塔にはメタルスライムの出現記録はなかったはずなんだけど…。」
「なにかの拍子で紛れ込んだとか?」
「そうかもしれないね。…あれ、この部屋……」
「……行き止まりみたい?」
3階へと進むと、どこにも出入り口が無い部屋にたどり着いた。地図上ではちゃんと行けるはずなんだけど、暗いせいなのかどこにも扉なんて見当たらない。
「しょうがない、別のルートを探そうか」
「兄貴〜この壁、なんかおかしいでやんすにょわぁぁぁぁぁっ!!」
「や、ヤンガスっ!?消えた!?」
急いで近づいて壁を調べる。すると魔物の顔が彫ってある壁が回転することがわかった。
私たちもそれを触って向こう側に行くと、上へと続く階段があった。
「ヤンガス、お手柄じゃん!!」
「兄貴!あっしはやりましt「やっと見つかったね、頂上までもう少しだよ」……」
ヤンガス……。
大丈夫、いつかはきっと報われる…はずだから。
それにしても、さっきからちらほらとある焼け焦げた後ってゼシカさんのものなのかな。大きさを見た限りじゃメラだろうし。神聖な場所のはずなのにそこら中にメラをぶっ放してるって、大雑把というか何と言うか…。
そんなことをぼんやり考えながら、回転する扉に手を触れる。
カチリ。ゴゴゴゴ←回転する音
「ゲロロロロォ!!」
カチリ。ゴゴゴゴ←再び回転する音
「レ、レーナ!?なんで戻ってきたのさ!?」
「……ナンカイタ☆」
なんかいたよ、なんだあれ!?
赤と紫の毒々しい色した何かがいましたよ、向こう側には!!
「いや、モンスターとかでしょ。僕らも付いていくから、よいしょっと」
カチリ。
「嫌ぁぁぁ!!まだ心の準備がっ…」
ゴゴゴゴ
「ゲロロロr「嫌ぁぁぁぁぁ!!!」ロロッ!?」
ザシュッ!!
「なるほど……じんめんガエルね。まぁ確かに気持ち悪いけど」
「あ、あれっ!?」
気がついたら、私の剣が気持ち悪い何か(じんめんガエル?)を切り裂いていた。どうやら無意識に体が反応してしまったらしく、後ろにはまっぷたつに裂かれた巨大カエルが横たわっていた。うぇぇ、グロ…。
そんな私の様子を見て、エイトが首をかしげる。
「ひょっとしてレーナ、爬虫類とかダメ?」
「そうなの…かな?」
「蜥蜴とかカエルとか見るとどう思う?」
「激しい嫌悪感を覚えます。」
「じゃあやっぱり嫌いなんかじゃないか。」
「だっ、だからなんなの!」
エイトはくすりと笑った。
「いや…女の子らしいなって思ってさ」
「!!!ふぇっ!?」
その一言で思わず真っ赤になってしまう。こいつ…天然の女殺しだ!!
気をつけないと……。
やがてヤンガスも少し遅れて入ってきて、私たちは頂上を目指して出発した。