二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第6話 お嬢様の旅立ち part1 ( No.120 )
日時: 2013/03/24 21:11
名前: のあ (ID: DYDcOtQz)

 私たちがへとへとになってリーザス村に帰ってくると、ポルクが一目散に走ってきて、開口一番に言った。

「ゼシカ姉ちゃんは!?」
「…大丈夫。ちょっと考え事があったみたいだから、まだ塔の中にいるけど。すぐ帰って来るって言ってたよ」

 私がそういうと、ポルクはにかっと笑った。

「そっか。まだちょっと心配だけど、ゼシカ姉ちゃんがそう言ったんならきっと大丈夫だな。
 そうだ、さっき宿屋の女将に言って一晩泊めてもらえるようにしたんだ。マルクと二人で小遣いはたいたんだからな、感謝しろよ!!」
「!!いいの!?」
「あぁ、ちょっとしたお礼だ」

 親指を立てて自慢げに笑うポルク。…くそう。可愛いなポルマルコンビ。
 お言葉に甘えさせてもらって、今日一晩泊まっていくことになった。





 ……夜中に何か打つような音が聞こえたけど、あれは何だったんだろう?






〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




「レーナー。朝だよ、起きt」
「させるかぁぁぁっ!!」

 翌日、エイトの気配がして起きてみると、案の定目の前にスライムクッションがあった。さすがに3回目になると慣れてきて、顔に押し付けられる前に跳ね起きる。…これはこれで体力使うんだけどね。
 チラリと横を見ると、微笑んでいるエイトと目があった。

「おはよう。スライムクッション、もう慣れたみたいだね?」
「…あなたのおかげでね。さすがに毎回喰らってたら心臓が持たないし。」
「それもそうか。…じゃあ、早く準備して。今日はゼシカさんのところに行って、そのままポルトリンクまで行くから。」
「ほーい」

 バタン、と戸を閉めていくエイトを見送りながら、私はほっとため息をついた。
 よかった、いつものエイトだ。昨日はあんなのを見ちゃったせいか、とても不機嫌で——少し、怖かったから。たとえ嘘の気持ちでも、エイトが笑ってくれてるんだったら…それでいい。

『本当にそれでいいの?』

 …そんな声が頭のなかに響いたけれど、無視しよう。だって私がどうこうできる問題じゃないもの。
 自分の気持ちにフタをして、急いで身支度を整えると、エイトたちがいる外まで飛び出して行った。