二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 第3話 未知との遭遇 part3 ( No.13 )
- 日時: 2012/08/13 16:15
- 名前: のあ (ID: 6..SoyUU)
「エイト…ここで合ってるの?」
「うん、地図で見てもここになってるよ。」
「えらい小民家でげすなあ〜。」
数十分後、私たちは小さな民家の前に立っていた。
ん?なんで数十分もかかってるって?
だってここ、超入り組んでるんだもん!!方向音痴って言う人は誰もいないはずなんだけど、地図持っててここまで迷うとは思わなかった。
息を整え、扉をコンコン、と叩く。すると「どうぞー」という声がして、私たちは中へ入った。
え?今の声って……。
「れ、レーナちゃん!!?」
「やっぱり!ユリマちゃん!!なんでここに?」
「え?レーナ、知り合いなの?」
「うん、話を聞いてた子だよ。」
家の玄関で出迎えてくれてたのはユリマちゃんだった。ここは占い師の家のはずだったけど、やっぱり家を間違えたかな?
「ごめんねユリマちゃん。家、間違えちゃったみたい。占い師のルイネロさんって人の家を探してたんだけどさー…。」
「違うよレーナ。ここで合ってるよ。だってこの子、ルイネロさんを連れて行った子だもの。」
「へ?…そ、そうなの?」
「あ……うん。ルイネロは、私の父だから……。」
そうか、呼びに行くお父さんってルイネロさんのことだったんだ…。
となると、こんな綺麗な女の子のお父さんなんだから、ルイネロさんってきっとかっこいい人なんだろうなあ……と想像を膨らませてみる。
「ユリマ?何の騒ぎだ?誰か来たのか?」
「あ、父さん。お客さんよ。」
お、どうやらルイネロさんが来たようだ。ギシ、ギシ…という音がして、二階から彼が現れた。
むさいおっさん(笑) が現れた!!
「アフロなボンバー!!??」
「なっ……誰のことだ!!?まさかわしのことか!?」
その姿に思わず叫んでしまう。なにこの人…!!全然ユリマちゃんと似ても似つかないッ!!
「おっ落ち着いてレーナ!!(二回目)確かに見てくれはこんなんだけど、有名な占い師であることに変わりはないんだ!!」
「お前、なにげにひどいな!!」
「父さん!それ以上怒ると高血圧で死んじゃうわ!!」
エイトになだめられ、やっと驚きが薄れてきた。…なんだろ、今日びっくりすることがやけに多い気がする。どうやら、ルイネロさんもユリマちゃんになだめられて落ち着いたようだ。
「で、占って欲しいだと?」
「はい、僕たちある男を追っているんです。できればあなたの占いでその男を見つけ出して欲しいん「断る」……はい?」
「だから断ると言ったんだ!もう占いなどはせん!!出て行け!!」
「え…えええ!!?ちょっと、困ります!!あなたの占いが必要なんですって!!」
「第一、最初から人の悪口を言う奴らは相手にしたくもない!!ユリマ、連れて行きなさい。」
「そこは謝ります〜〜だから……」
「エイトさん!ここはいったん出ますよ!!」
「え?なんd」
「「お、おじゃましましたーー!!」」
結局、ユリマちゃんに連れられてお宅を追い出されることになったのであった…。
「申し訳ありません…実は父は占いがめっきり当たらなくなってしまったんです。」
ルイネロさんの所を飛び出るようにして出てきた私たちは、ユリマちゃんからそんな話を聞いた。
なんでも、少し前までは町の人の噂通り凄腕の占い師だったらしいんだけど、ある時から急に占いが当たらなくなり、酒に溺れ、評判は下がる一方らしい。
「ある時って?」
「父が、商売道具の水晶玉を無くした時です。」
「水晶玉?それなら部屋にもあったじゃないか?」
エイトの言葉に、ユリマちゃんがうなずく。たしかに、いかにもそれっぽい感じに水晶玉が置いてあったけど…
「あれは、偽物です。」
「「「に…偽物!?」」」
「はい、本物の水晶玉は南にある滝の洞窟のなかにある大きな滝つぼに落としてしまいました。」
「取り返そうとは思わなかったの?」
「…あそこには、魔物——モンスターが出ます。そのため私一人ではとりかえすことができなかったのです。」
「そう…だったんだ………。」
ユリマちゃんが苦労したってことは、話を聴いていても手に取るように分かった。きっと高名な占い師と名高かった父が酒に溺れ、評判を落していく姿は、娘であるユリマちゃんにとってとても辛かった事なんだなって…。
だったら、私にできることって…!!
「ユリマちゃん、私が、水晶玉を取り返してくるよ。」
「レ…レーナ…ちゃん…?」
ユリマちゃんが驚いたように目を見開く。
私はにっこりと微笑んだ。
「僕たちも行くよ。」
「え、エイトさん!?ヤンガスさんまで…」
「レーナひとりに任せておくには、ちょっと危ないからね。それに、ルイネロさんのことを、助けてあげたいんだ。」
「目的を達成するためにも、ルイネロのおっさんの手助けは必要でげすからね。」
「エイト…ヤンガス……ありがとう。」
ヤンガスはユリマちゃんの願いを叶えることはあくまで目標の『ついで』みたいに言ってるけど、本心はきっと違うんだろう。
その証拠にほっぺたがちょっと赤くなってる。
私はそんな二人を見ながらもう一度ユリマちゃんに聞いた。
「ユリマちゃん、私たちがルイネロさんの水晶玉を取ってきてもいいかな?」
「レーナちゃん………。…お願い、します。どうか父の水晶玉を取ってきてください!!」
「分かった!!よし行こう!目的地は滝の洞窟だよ!」」
「「おう!!」」
ユリマちゃんのため、私たちは最初のダンジョン、『滝の洞窟』に行くことになった…。
「あ、その前にレベル上げね。今だと全然足りないから、十レベルぐらい。」
「「いっいやああああああ(でがす)ーーーーーーー!!!!!」」
忘れたようにつぶやかれたエイトの一言で、夕暮れどきの街に絶叫が響きわたった……。