二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- コラボだよ!!全員集合!! ( No.135 )
- 日時: 2013/04/29 22:38
- 名前: のあ (ID: 49hs5bxt)
第3話 誰か俺に食い物をくれ!!
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「っはぁっ…はぁっ…。…撒いた、か?」
夜の暗闇の中を、鎧を着た少年が走っている。歳は、大体17歳ぐらいだろうか。短く切った黒髪に、ややつりあがった眼。大振りの刀と盾を持っている事から、手練の冒険者だと推測できる容姿を持つ彼は、不意にそんな言葉を漏らすと木の陰に倒れ込んだ。
汗で蒸れた兜を脱ぎ、夜風に当たる。すると、突然少年の腹からけたたましい音が流れた。それを聞いて少年は少し赤面し、ポツリと呟いた。
「……腹、減ったなぁ………」
無理もない。彼は修行のためと言い張り、3日前に寄った村で食料を買い込まなかったのだ。今までは薬草と水だけでなんとかもっていたが、それすらも先ほどの戦闘で尽きてしまった。
「ここの近くの町は……くそっ。あと歩いて2日もかかるじゃねぇか。
あーあ、こんなことなら食料を狩っておくんだったぜ……」
自分自身に対する愚痴を言う。
それをいい終わるか否や、再び大きく音がなった。途端、積み重なった疲労と空腹が一気に襲い掛かってきて、少年はさらに深く座り込んだ。
(まずい…な。魔物に会ったら今度こそ逃げきれねぇし)
見つかれば、待っているのは死。
彼は近くに食べれそうなものがないか、目を凝らした。
「………ん?………んだ、あの光…」
夜目が効いてきたせいなのだろうか。少年の眼は小さな灯りを見つけた。
光の強さから言って、そう遠くはない。旅の一団でもいるのだろうか。
疲れはてていた彼の心に、希望が宿った。
「…ははっ。オレの運もまだ捨てたもんじゃねぇな。ついてるぜ」
よっと最後の力を振り絞り、少年は立った。そのまま、重い鎧をガシャガシャと鳴らしながら光の方へ向かって歩いていく。
「待ってろよ、うまいメシ!!
このオレ……アインスが行くまでそこ動くんじゃねぇぞ!!」
そう言って少年——アインスは、ニヤリと笑った。