二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第4話 滝壷にて part1 ( No.15 )
日時: 2012/09/17 20:52
名前: のあ (ID: w1J4g9Hd)

「うおりゃああ!!しましまキャット、覚悟おお!!」
「「にゃ…にゃああ!!?」」
「逃げたっ!ヤンガス!!」
「まかせるでやんすーー!!オラアア!!」
「「にゃーーー!!」」

 ユリマちゃんの依頼を受け入れ、エイトがトンデモ発言をした数日後、私たちはモンスター●ンターと成り果てていた。
 敵を見てはどんなんであろうとぶっつぶし、体力と魔力がつき果てるまで宿屋に帰らない日々を続けて、なんとかレベルと大量のゴールドをゲットした。
 気のせいかは知らないけど…なんかもうスライムとかドラキーが私たちを見ると逃げ出すほどに強くなった。ヤンガスも歩くだけで息切れしない程度に体力もついたし、地獄のトレーニングはまあ成功したんじゃないのかな。途中、死ぬかと思ったけど。

「ふう…大分レベルも上がったね。そろそろ特訓を止めて滝の洞窟に行ってみよっか。」
「「ほ…本当に!!?(でげす!!?)」」
「うん、出発は明日にして、今日はゆっくり休もうか。もう遅いし。」
「「ヤッホーーーいッッっ!!!!」」
 天からの声とはまさにこのこと。切なそうに「わしも行きたい…」とぼやきながら見つめるトロデさん(半泣き)をほっといて、私とヤンガスは宿屋にダッシュしていった。

第4話 滝壷にて part2 ( No.16 )
日時: 2012/09/18 14:04
名前: のあ (ID: w1J4g9Hd)

「ここが滝の洞窟?」
「ジメジメしてて嫌なところでやんすね〜。」

 翌日の早朝、魔物とエンカウントしながら滝の洞窟についた。
 ホントはもっと寝たかったんだけど、エイト曰く「暗くなると魔物が強くなる」らしいので、無理やり起こされた。スライムで。
 …正直言って、あれ、トラウマなるよ。まさか二回もスライムで起こされるとは思わなかった…。

「しょうがないよ、地底湖の上に広がってるんだから。あ、地図発見。たいまつゲット。」

 ぬかるみの中エイトはどんどん進んでいく。
 さすがは元近衛兵。ぬかりはないみたい。ぬかるみだけに。←(寒い)
 しっかし…ちょっと早くね?なんで陸みたいに歩けるのさ。マジ走りしてやっとついていける早さってこと、本人は気づいているのかな?

「あ…兄貴〜待ってくれでやへぶっ!!?」
「ちょっと待って!」

 しばらく歩いてたら(走ってたら?)急にエイトが止まった。ヤンガスは止まれずにぬかるみの中に頭から突っ込んだ。

「ど…どうしたの、エイト?何かいた?」
「あそこ……おおきづちがいるんだ。」
「おおきづち?」

 エイトが指差した方向を見ると、滝壺に続いているであろう道に、おおきづちがとうせんぼしていた。 ちょっと前なら徹底的にぶちのめしていたかもしれない。けど、今は帰りの道のことも考えて体力を温存するのが最良の策だし、話し合いに持ち込むことにしよう。

「こんにちは?ごめん、僕たち、ここを通りたいからどいてもらえないかな?」
「ほほう、このオレ様に話しかけるとはお前、ちょっとは度胸があるようだな。しかし、ここはとおさんぞ?」

 …ずいぶん態度が大きいおおきづちだこと。
 剣を握る手に力が入る。

「そこをなんとか…お願いですから…」
「ダメといったものはダメだ。ここはオレ様の道だぞ。ここを通りたければ、オレ様の屍を越えてゆけ!!!無論、ひ弱なお前らにそんなことはできないと思うがな。ハッハッハ!!!」

 交渉決裂。ダメだ、我慢できそうにない。

「じゃあ、そうさせてもらうねっ!!」
「ふぇ…?ぎ…ぎゃああああああ!!???ほんとに来んのかよおおお!!??」
「レーナ!?抑えててって言ったのに!しょうがないなあ…。助太刀するよ(ニヤリ)」
「オレ様の死亡フラグがたったああ!!??」

 でかいのがなんか言ってるけど気にしない。こうなったのは自業自得だということを思い知れ…!!
 おおきづちの特徴。それは攻撃が当たらないこと。いくら体力があって硬くても、あの地獄の日々をくぐり抜けてきた私たちの敵ではない。
 途中から参戦してきたヤンガスも加わって、3対1のフルボッコで余裕で勝った。
 最後に「覚えてろよー」と叫んでフィールドに消えていったけど、あの弱さじゃすぐやられるだろうなあ…彼の冥福をお祈りします。ちゃーららちゃらーちゃらー。
 開いた道を通り、私たちは滝壺へと急いだ…。

第4話 滝壷にて part3 ( No.17 )
日時: 2012/09/18 11:34
名前: のあ (ID: w1J4g9Hd)

「ここが、ユリマちゃんの言ってた滝壺…?」
「うん、マップ上ではここが行き止まりになってるから、間違いないと思うよ。」

 ざあざあと滝が流れる音がする。ダンジョン『滝の洞窟』の一番奥に広がっている滝壺は、来るものを寄せ付けない、絶対的な威圧感があった。そして、中央で光り輝く綺麗な水晶玉も。

「あれが、ルイネロさんの水晶玉かな。」
「…きれい。」

 水晶玉は魔力を帯びて光り輝いていた。ひと目で、貴重なものだということがわかった。
 そして、胸をよぎる疑問。
 なんで、ここにルイネロさんは水晶玉を落としてなくしてしまったんだろう?
 そもそも、こんなところまで来る理由がわからない。占い師であるルイネロさんは、トラペッタの町の中のあの小さな家の中で客を相手にずっと占いを続けることができたはず。なのに一体なぜこんなところまで来て、しかも大事な商売道具である水晶玉を落としてしまったのか。
 人の未来が見えなくなったことを、どうして町の人に隠したりなんかしたのか。
 ふと、ある考えが頭の中をよぎった。もしかして、ルイネロさんは…


「わははは!!わしはこの滝の主、ザバンじゃああ!!」

 私の考えを遮るように、滝壺から真っ赤な魚(?)のモンスターが現れた。エイトたちが水晶玉をとろうとしたら、出てきたみたいで、二人とも驚いた顔をしてる。
 そのままザバンは見下ろしながらいう。

「この水晶玉をとろうとしたということは、お主らがこれの持ち主であるのだな?」
 エイトは正直に首を横に振ろうとしていた。これはマズイ!!

「いいえ、ちが「はい、そうです!これは私達が落としたものです!!」レーーナああああ!!!???」

 エイト、空気を読め!!ここではいって言わなきゃ水晶玉は返してくれないんだぞ!!

「そうか…待っていたぞ!!この恨みを晴らせる日をなああ!!」

 そしてザバンが臨戦態勢に。

「な…なんか戦うことになっちゃてるけど…どうするんだ!レーナ!!」
「どうするって、戦って水晶玉を取り返すに決まってるでしょ!?たぶん強いから死ぬ気で行くよっ!!」
「いや、こうなったのってレーナ嬢ちゃんのせいじゃないでやんすかね!?話し合いでなんとかなったんじゃ…」
「…いいから!!集中して、来るよ!!」

 都合の悪いことは気にしない。それが私のポリシーだ!(いいのかそれで)

「くっ…しょうがない、か……(チャキ)」
「兄貴が行くなら…あっしも…!」
「虫けらが何人集まろうが同じ!!わしのとっておきの技を受けてみるがいい!!」

 その言葉と同時に、ザバンのからだから何か黒い霧のようなものが出てきた。
 え……と、これって当たったらやばい系ですよね?かといってどうやってこれ回避すれば……

「ぎゃああああ‥…あ‥…あ‥…なんで…やんすか…体が‥…」

 早くも素早さが低いヤンガスが霧の餌食になってしまった。この症状は、当たったらしばらく動けなくなる呪い?
 はっとなり、エイトの方を急いで振り向く。パーティーのなかで一番素早さが高いのは私。ということはヤンガスの次に遅い、エイトが危ない!!しかし私は、信じられない光景を目撃した。
 エイトの呪いが、無効化されてる?
 確かに霧は、エイトに向かって襲い掛かってる。けど、その目の前で何かにはじかれたみたいに呪いが効かない。まるで見えない盾があるみたいに…

「!!レーナ、後ろ!!」

 ふっと、エイトの声で我に帰り、急いで後ろを見る。黒い霧が目の前に迫っていた。そして、その間にザバンが放ったであろう水の攻撃も。
 あ、ヤバイ、これは…詰みだ。
 そうしてその衝撃に耐えるべく、私は思いっきり目をつぶった。

第4話 滝壷にて part4 ( No.18 )
日時: 2012/09/18 11:54
名前: のあ (ID: w1J4g9Hd)

1秒。
2秒。
…3秒。



「え……!?」

 あれ?
 衝撃が、こない。
 恐る恐る目を開けてみると、そこには、エイトが傷だらけで立っていた。

「エイ……ト…‥…?」
「レーナ、大丈夫?隙を見せちゃ‥…気をつけなきゃダメって…あんなに特訓したのに忘れるなんて‥…レーナらしいや。」
「それよりエイト!!傷だらけじゃないっ!!私より自分のことを心配してよっ!!」
「ああ…このぐらいの傷‥…なんて…大丈夫…だよ。それに近衛兵の役目は…人…を守るため…だから…ね…レーナが無事なら…それ…で‥…。」
「エイト…?エイト!!??」

 パタリ、とエイトが倒れた。まだかろうじて呼吸もしてるし意識もあるけれど、相当弱っていることは見て取れた。
 私のせいだ。エイトに頼って、全然強くなろうともしなかった。
 私が、弱いから、エイトが…ー。

ドクン。

「あ…ぁぁぁ」
「兄……貴!!?」
「ハハハ!どうだ思い知ったか!!これがわしの力だああ!!!」

 私のせいで…私なんかをかばったから……!!

「きゃああああああぁぁぁぁぁ!!!!!!」























































カチリ、と。
頭の中で、スイッチが切り替わったような音がした……。