二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 第4話 滝壷にて part3 ( No.17 )
- 日時: 2012/09/18 11:34
- 名前: のあ (ID: w1J4g9Hd)
「ここが、ユリマちゃんの言ってた滝壺…?」
「うん、マップ上ではここが行き止まりになってるから、間違いないと思うよ。」
ざあざあと滝が流れる音がする。ダンジョン『滝の洞窟』の一番奥に広がっている滝壺は、来るものを寄せ付けない、絶対的な威圧感があった。そして、中央で光り輝く綺麗な水晶玉も。
「あれが、ルイネロさんの水晶玉かな。」
「…きれい。」
水晶玉は魔力を帯びて光り輝いていた。ひと目で、貴重なものだということがわかった。
そして、胸をよぎる疑問。
なんで、ここにルイネロさんは水晶玉を落としてなくしてしまったんだろう?
そもそも、こんなところまで来る理由がわからない。占い師であるルイネロさんは、トラペッタの町の中のあの小さな家の中で客を相手にずっと占いを続けることができたはず。なのに一体なぜこんなところまで来て、しかも大事な商売道具である水晶玉を落としてしまったのか。
人の未来が見えなくなったことを、どうして町の人に隠したりなんかしたのか。
ふと、ある考えが頭の中をよぎった。もしかして、ルイネロさんは…
「わははは!!わしはこの滝の主、ザバンじゃああ!!」
私の考えを遮るように、滝壺から真っ赤な魚(?)のモンスターが現れた。エイトたちが水晶玉をとろうとしたら、出てきたみたいで、二人とも驚いた顔をしてる。
そのままザバンは見下ろしながらいう。
「この水晶玉をとろうとしたということは、お主らがこれの持ち主であるのだな?」
エイトは正直に首を横に振ろうとしていた。これはマズイ!!
「いいえ、ちが「はい、そうです!これは私達が落としたものです!!」レーーナああああ!!!???」
エイト、空気を読め!!ここではいって言わなきゃ水晶玉は返してくれないんだぞ!!
「そうか…待っていたぞ!!この恨みを晴らせる日をなああ!!」
そしてザバンが臨戦態勢に。
「な…なんか戦うことになっちゃてるけど…どうするんだ!レーナ!!」
「どうするって、戦って水晶玉を取り返すに決まってるでしょ!?たぶん強いから死ぬ気で行くよっ!!」
「いや、こうなったのってレーナ嬢ちゃんのせいじゃないでやんすかね!?話し合いでなんとかなったんじゃ…」
「…いいから!!集中して、来るよ!!」
都合の悪いことは気にしない。それが私のポリシーだ!(いいのかそれで)
「くっ…しょうがない、か……(チャキ)」
「兄貴が行くなら…あっしも…!」
「虫けらが何人集まろうが同じ!!わしのとっておきの技を受けてみるがいい!!」
その言葉と同時に、ザバンのからだから何か黒い霧のようなものが出てきた。
え……と、これって当たったらやばい系ですよね?かといってどうやってこれ回避すれば……
「ぎゃああああ‥…あ‥…あ‥…なんで…やんすか…体が‥…」
早くも素早さが低いヤンガスが霧の餌食になってしまった。この症状は、当たったらしばらく動けなくなる呪い?
はっとなり、エイトの方を急いで振り向く。パーティーのなかで一番素早さが高いのは私。ということはヤンガスの次に遅い、エイトが危ない!!しかし私は、信じられない光景を目撃した。
エイトの呪いが、無効化されてる?
確かに霧は、エイトに向かって襲い掛かってる。けど、その目の前で何かにはじかれたみたいに呪いが効かない。まるで見えない盾があるみたいに…
「!!レーナ、後ろ!!」
ふっと、エイトの声で我に帰り、急いで後ろを見る。黒い霧が目の前に迫っていた。そして、その間にザバンが放ったであろう水の攻撃も。
あ、ヤバイ、これは…詰みだ。
そうしてその衝撃に耐えるべく、私は思いっきり目をつぶった。
