二次創作小説(映像)※倉庫ログ

番外編 丘の上のチーズおじさん part1 ( No.32 )
日時: 2012/09/18 23:11
名前: のあ (ID: w1J4g9Hd)

「ねえエイト。滝の洞窟の上にあるこの家って誰か住んでるのかな?」  
 ルイネロさんのお告げを聞いてから関所に向かおうとする途中、地図を見ながら私は訪ねた。
 水晶玉をさがしに行った滝の洞窟のちょうど真上の丘に、家が立っている。そんなへんぴなところに家を建てる人がどんな人なのかちょっと気になって、行ってみたかったんだ〜。

「そうだね…ちょうど通る道みたいだし、行ってみようか。いいですよね王様。」
「ふむ…まぁ、少しぐらいの寄り道ならいいじゃろうて。」
「あっしも別にいいでがすよ〜。空き家だったらお宝をゲットして…」
「ヤンガス、それはダメ。じゃ、いこっか。」
「わ〜。ありがとね、皆!!言ってみるもんだ♪」

 こうして、寄り道してその家に行くことになった。(ほとんど私のわがままだけどっ!!)


 …いやはや、このときはそこの住人さんとながーく付き合うことになるとは、思ってなかったんだよね…。




 …というわけで丘の上に着きましたー(早っ)
 ヤンガスはゼエゼエ言ってて、「なんでこんなところに家なんか建てたんでげしょう…?」なんてぼやいてる。でもねヤンガス。君よりもミーティアさんのほうが大変だってこと、知ってるよね?私たちの荷物全部馬車の中に置いてあるんだから。…ほんとゴメンナサイ。
 で、家は近くで見ると…結構なボロ屋ってことがわかった。扉には蔦が生えてるし、屋根は若干傾いている。さすがにここに人は住んでないんじゃないかな…。
 エイトもそう思ったのか、ノックなしで「おじゃましまーす」といってかちゃりとドアを開ける。そしたら…

「ん?こんなところに客人とは珍しいな。」

 スキンヘッドのおっちゃんがいましたーー……

 ……………

「嘘でしょ!?」
「何がだ!?何かおかしいのか!?」

 いやいやいや普通に考えればおかしくない…のか?ボロ屋とはいえどそういうところに住んでる人もいるし、中は案外綺麗だし…。でも、格好はボロい。顔も結構こわそうだし、短剣持ってるし。何よりヤンガスっぽい匂いがする。(ひどいでがす!!byヤンガス)
 ここまでの時間、約3秒。こんな短い時間でもわかることは‥…

「おおおお、おじゃましましたぁぁぁ!!」

 このおっちゃんは山賊、もしくはただの変人ということだ。どっちにしろ危険だ!!早く逃げないと!!!

「まてまて!!せっかくここまで来たんだ。お前さんたち、ひとつ頼まれてくれねぇか?」
「むむむ無理です!!忙しいんです!ゴメンナサイ!!もうきませんからぁぁ」
「あ、レーナ!?ちょっと……」
「エイトもヤンガスもいくよ!?早く早く早く!!!」

 なぜかふたりは動かない。逆に私を見て呆れてる…なんで!?
 そしたらエイトが軽く首を振って、「ごめんねレーナ」と呟いた。次の瞬間エイトの姿が消えて…

「(ドスッ)え…逃げな…ひゃ…」 

 首筋にドスっという衝撃が伝わり、私の意識はそこで途切れた……。



『すみません、あの子は少し情緒不安定なもので…多めに見てください。』
『いや、別にいいんだよ。オレも顔が怖いことは知ってるからな。驚かせちまったみてぇだ。すまねぇ』
『ほんとにすみません……。それで、頼みごとってなんですか?』
『ああ、小屋を出てあたりを見渡すと、あたりに一本だけ葉っぱが赤い木が見えるはずだ。実はな、先日そこでひとやすみをしたんがだがな、うっかりして道具ぶくろを忘れちまったみたいなんだ。』
『つまり僕たちにそれを取ってきてほしいわけですね。』
『そうだ。のみこみが早くて助かるぜ。さすがはグルーノ老の…ゲフンゲフン!!と、とにかくだ。もちろんタダでとは言わねえ。たいしたもんじゃないが礼はする。オレはしばらくこの小屋にいるつもりだからな。待ってるぜ。』
『はい、分かりました。その…僕たちからもお願いが一つあるんですが…』
『なんだい、言ってみな』
『…この子を…レーナを道具ぶくろを取ってくるまでの間、預かってもらえませんか?強めにたたきこんどいたのでたぶん戻るまでは目覚めないでしょうが…万一起きてしまったらこのスライムクッションを使って眠らせといてください。』
『これ…宿屋に常備してあるやつじゃあ…ま、まあいい。分かった。安心して行って来てくれ。』
『すぐに戻ります!!』


 寝ている間にそんな会話が聞こえた気がしたんだけど…気のせいだったらいいな…。エイトがこんなに黒いなんて嘘だ……。