二次創作小説(映像)※倉庫ログ

番外編 丘の上のチーズおじさん part2  ( No.33 )
日時: 2012/09/18 23:15
名前: のあ (ID: w1J4g9Hd)

「ん……」
「あ、レーナ。目が覚めた?」

 パチリと目が覚めたとき目の前にあったのはエイトの覗きこむ顔だった。あれ…ここどこだっけ…?って言うか私、なんで寝てんの?
 えーと確か…トラペッタを出てすぐに丘の家にある家に行きたいってエイトにお願いして連れてきてもらって、そしたら誰もいないと思ってたのにスキンヘッドの変なおっちゃんがいて、私がパニックになって……それから……ダメだ。思い出せない。なんかブラックエイトを見た気がするんだけど…?

「レーナったら、ダメだろう?人の顔を見ただけで失礼な態度をとっちゃ。彼は頼みごとをしたかっただけなのに。…少しは後始末をする僕の身にもなってよ…?」

 なんだろう。エイトの笑顔がすごく怖いよ。ヤンガスも怯えてるって…半泣きしてるって。おっさんの涙ってキモいよ。
 思わず固まる私たちに構わずエイトはおっちゃん(仮名)になにやらごつい袋を渡した。

「はい、これであってますか?」
「ふむ間違いねえ!確かにこれはオレの道具ぶくろだ。ありがとうよ!!さて…約束だから何か礼をしねえとな……そうだ!そのねずみ!!」

 そういうとおっちゃんはエイトの上着のポケットに入ってたネズミを指差した。
 あれは確か…トーポって名前だっけ。エイトがトロデーン城に来たときから一緒にいるペットで、エイトと同じように呪いにかからなかったねずみだったはず。普段はポケットの中にずっといるからあんま見ないんだけど、頭良いみたいだしとにかく可愛いんだよね〜。

「そのちっこいネズミ、オレが見るにただのネズミではないな!」
「え…?普通のネズミですけど…。トーポは僕のペットです。」
「そうかい。お前さんのペットなのかい。」

 エイトの意見は丸無視して次々に話を進めるおっちゃん。…なんかわざとらしい。

「よし、じゃあこのチーズがお礼だ。なに、ただのチーズだがお前さんのペットの大好物のはずだ。」

 するとおっちゃんは懐からチーズが入っている(と思われる)袋を取り出してエイトに渡した。 
 ネズミだからチーズ好きって…単純だなあ。っていうかトーポが明らかに喜んでてちょっとかわいい。
 その様子を見てニンマリとすると、声のトーンを少し低くして大事なことを打ち明けるように言った。

「ここからはオレの想像だが…戦闘中にそのネズ公にチーズをやれば…もしかするとだぜ…」
「「「も…もしかすると……?」」」

 思わず三人そろって訪ねる。チーズをあげると、トーポに一体何が……

「さて、オレの話は終わりだ。とにかくご苦労だったな。チーズが欲しくなったりしたらまたいつでもこいよ!!」 
「「「だぁ!!」」」

 期待させといてなんだよ!?な展開に見事に全員ずっこけましたー。
 あー…なんかデジャヴ。前の話でもあったなーこういうの。

「と…とりあえずおじゃましました……。いこ、レーナ、ヤンガス…。」
「「分かった〜(でがす〜)」」
「おう!気をつけてな〜〜」

 一早く復活したエイトに支えられて、私たちは(勝手に)命名・チーズおじさんの家を出て、リーザスヘと向かうのだった…。


 ちなみに、そのときのおじさんの言葉がどういう意味だったか分かるのはまた別のお話。