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「な…なんなの、これ……？」

　チーズおじさんとの会合を経て関所に向かった私たちが見たのは、ボロボロにされた扉とそこを守っていたであろう兵士たちの亡骸だった。

「これも…ドルマゲスがやったのか…？」
「ひどい…有様じゃな……。」

　いつもは強気なトロデさんもひどいようすに息を飲む。これだけのパワーがあるなんて…ドルマゲスって、一体何者？
　足が勝手に亡骸の前へと進む。

「天にまします我らの父よ。
　願わくば彼のものの魂に永遠の安らぎがあらんことを……」　
　
　いつの間にか、ごく自然に言葉を紡いでいた。

「レーナ、なんで教会の弔いの言葉を知ってるの？レーナが来てからほとんど教会には入ってないはずだけど……？」
「うーん…なんでだろ？勝手に言葉が浮かんできたんだ。」
「記憶をなくす前に死にまくって教会の御用達になってたんじゃないでゲスか？」
「ヤンガス？教会にそんなに行きたいんだぁ…(にっこり)」
「！！！！すっすみませんでやんす！！！」

　話をしながら関所を抜ける。一見すると楽しげな会話にも見えるけど、笑顔はない。本当はちゃんととむらってあげたい。でも……マスターライラスだけではなく何の罪もない人たちを殺したドルマゲスを早くつかまえなくちゃいけないから……。

　私たちの足は、リーザス村への道を急いでかけていった。