二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 空も海も大地もないただのダンジョン攻略 part3 ( No.52 )
- 日時: 2012/10/28 23:55
- 名前: のあ (ID: hxRY1n6u)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode
第三話 私、こいつとは合わない!
「この子……一体何者なのかしら?」
「わかんない。邪悪な気配を感じないから魔物じゃないと思うんだけど……」
少女の年は16・7歳ぐらいだろうか。
まだ少しあどけなさが残る顔立ちで、大人っぽいサフィラとは真逆の雰囲気を醸し出している。とてもではないが、人間に擬態した魔物だとは思えなかった。
「とりあえず、起こしてみよっか。
おーい。ちょっと起きて」
サフィラがゆさゆさと少女の身体を揺する。
すると少女はうっすらと目を開けた。
少女の瞳は髪と同じ茶色で、ほんのすこしだけ空を溶かし込んだ様に青みがかっていた。
(わ、不思議な色の瞳……)
「んにゅ…?ここは………」
「目が覚めた?私の名前はサフィラ。貴方の名前は……」
「ヤ、ヤンガス!!それにゼシカ、ククール!!よかったぁぁ、やっとみんなに会えたよ〜〜」
「「「……え?」」」
自己紹介をするサフィラを無視し、少女はヤンガスたちを見つけるとガバット勢いよく起き上がった。
無論、無視されたサフィラはそのまま固まっている。
少女は構わず喋り続ける。
「もう、私ひとりで大変だったんだよ!エイトを探して道に迷うわ、なんでか知らないけど旅の扉に吸い込まれて気絶するわでさ。
……ん?なんでみんな黙ってるの?」
「ヤンガス、ゼシカ、ククール。この人、知り合いなの?」
「「「…っっ!!いえ、全然!!!」」」
固まっていたサフィラがようやく動きを取り戻し、三人に聞く。口調はあくまで優しげだが、眼が笑っていないことを見ると相当頭に来ているらしい。
そんなサフィラに気圧され、三人は勢い良く首を横に振る。
その様子を見て少女は大きな瞳をさらに丸くした。
「ちょ、ちょっと!みんなして記憶喪失でもしちゃってるの!?
私だよ。レーナだよ!!一緒に旅してきたじゃん!!っていうか、さっきからいるこの人はだれ!?」
「私はサフィラ。さっきもそう名乗ったはずだけど。
それから悪いけど、皆は私と一緒に旅をしてきたの。レーナ…だっけ?あんたこそ何者なのよ」
「はぁ!?こっちのセリフよ、それは!!」
少女——レーナとサフィラは、互いに睨み合う。
話が噛み合わず、双方の入っていることも意味不明だが二人はこれだけは確信を持って言うことができた。
私—こいつとは合わない、と——
「もういい。あんた、魔物ね!邪悪な気配がしないと思って油断したけど、灰も残さず消し去ってあげる!!」
「ふ〜ん、とうとう正体を現したね!!ヤンガスたちをたぶらかして間違った記憶を植えつけたのは貴方の方でしょ、こんの極悪非道モンスター!
貴方を倒して私はエイトを探すことにするよっ」
その言葉と同時にサフィラの手の上に黒い光、レーナの手の上に蒼白い光が集まり始めた。
呪文を使って、一発で相手を仕留めようという魂胆だろう。
「暗黒の精霊よ。我が負の感情を食らい力となせ…ドルマゲドンッ!!」
「自然に溢れし生命の水よ!氷結し我に力を……マヒャド!!」
「わぁぁぁっ!?ちょっと二人とも止めなさい!!」
もはや誰にもこの二人は止めることができない。
二人の放った攻撃はまっすぐ相手に向かって飛んで行き……
『あわわわ、ストップ、ストップ!!何やってんのさ!!』
消えた。
「っ!?」
「こ、この間延びした声は……」
『ちょっと主人公どうし仲良くしてくださいよー。何殺しあっちゃてんのよ』
「あ、あんた誰!?」
サフィラが問いかける。
それに対し、『声』はこう答えた。
『私はのあ。そこにいるレーナが主人公の小説を書いている作者だよ。』
「ま、まさかと思ってたけど…。
説明しなさいよ、この駄作者!!」
『相変わらずひどいっ!!…ま、もう慣れたけどね〜。』
「ん?レーナが主人公……?ここの主人公は私のはずだけど。」
サフィラがポツリとつぶやく。
『そうそう、良いところに気がついてくれたね!!実は今、レーナの《記憶をなくした少女の旅路》とサフィラの《光と闇の軌跡》の世界がごっちゃになってるのよ〜』
「はい!?それまた何で!!」
レーナのツッコミに対してのあ(駄作者)はこう答えた。
『原因はエイトに関わってるのよ。
まぁ、まず武器をおいてよ。それからこの世界の異常について説明するからさ』
