二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第1話 魔法にショタにお屋敷に…なんでもあるな!!part4 ( No.86 )
日時: 2012/11/25 23:49
名前: のあ (ID: kEC/cLVA)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel7/index.cgi?mode


「ねぇねぇお姉ちゃんたち。見て見て〜〜」
「ん?」
「メラ!!」

 その言葉と同時に、女の子の指先から小さな炎の球がほとばしる。
 私に向かって。
 …はい?
 え、ちょっと待ってよ。これ何!?なんで私に向けて飛んで来るの!?
 とりあえず……

「ヤンガスバリアー!!」
「うわっ!?嬢ちゃん、何するで…うわぁッチィ!!」
「きゃああ!?ご、ごめんなさぁいい」

 ふう、助かったぜ。ヤンガスの焼肉の完成ー。じょーずに焼けましたー☆
 女の子はプスプスと煙をあげて焦げているヤンガスの前に跪いて「ゴメンナサイ、悪気はなかったんです〜」と謝っている。大丈夫、そんなやわなことで倒れるような奴じゃないさっ(キリッ)
 って言うか……さっきのは何?なんで人間から炎が出てるの?
 エイトに聞いてみると、さっきのは魔法だよ、と教えてくれた。
 ほ〜これが虎…じゃなくてトラペッタでエイトが教えてくれた魔法か〜。エイトも使えるらしいんだけど、私は一回も見たことない。
 練習すれば大抵の人には使えるようになるんだって。
 ちょっと気になったので謝っていた女の子に「他にもできるの?」と聞いてみる。

「モシャスができるよ〜〜!!」
「モシャス?それって使うとどんなことになるの?」
「んとね…自分が変身するの!!ポーンって!!」
「へぇ〜やってみてほしいな〜」
「いいよ!!ちょっと待ってね……モシャス!!」

 ポンっと一瞬煙が湧き出た。その中からモンスターが出てくる。
 多分これがさっきの女の子なんだろうなー。モシャスって面白…
 
          
 『やめてッ!!!』

 「…っ!??」

 突然、声が聞こえた。
 エコーがかかっててよく聞こえないけれど、これは…女の人の声?
 声は頭の中に直接響くように聞こえてくる。

 『やめて…お願い。あたしの前で、その呪文を使わないで……』

 『ど…どうしたの!?フィア、大丈夫!?ほら、もう解いたから大丈夫だよ…。』

 今の声は…私!?ってことはこれは私の記憶なの!?
 なんで…今まで夢でしか見なかったのに…どうして急に!!
 ていうか…『フィア』ってだれ…?
 聞き慣れない、でもどこか懐かしいその名前に違和感を覚える。けれどそれを考える間もないまま、音声はどんどん進んでいく。だんだんと、話をしている相手の映像も見えてきた。

 『ごめん…ごめんね、レーナ、皆。心配かけちゃったね。
  もう大丈夫。さぁ、行こう。……の…とこ……へ』

 ザザッ!!

「…っ!!」

「レーナッ!?」
 
 急にノイズが入り映像が途切れる。エイトたちがその様子に気づいたのか、声をかけてくる。
 私は適当に「大丈夫」と言いながらさっき見た記憶について必死に頭を働かせていた。
 さっきの記憶には今まで見た夢には出てこなかった女の人…ううん、まだ私と大して変わらない少女が出てきてた。そして、影だけだったけど多分、周りには仲間もいた。それが『アインス』なのかは分からないけど…とにかく私たちは今みたいに旅をしてた途中だったと思う。
 
「エイト…今の声、聞こえた?」
「…?何のこと?僕はいきなりレーナが耳を塞いで倒れたから驚いて来ただけだけど……。」
「…そっか…。」
 
 ってことはやっぱり、さっきの声は私にだけしか聞こえてなかったんだ…。どうしよう、エイトたちにいっちゃったほうがいいかな?でも…変なこと言って心配をかけちゃダメだし…
 エイトの方を向いてできるだけにっこりと微笑んで立つ。まだちょっと足がフラフラしてるけどそれを隠しながら。「お姉ちゃん、大丈夫?」と聞いてくる女の子にも「大丈夫だよ」と言っておく。
 …多分この子の目には私がモシャスに驚いて腰を抜かしたように見えてるんだろうなぁ…ちょっと恥ずかしいかも。
 
「まぁ…とりあえず元の姿に戻ろっか。そのままじゃ話づらいでしょ?」
「う…うん。なんかごめんね、お姉ちゃん。えーと…えいっ!!」
 
 ボフンっと音がしてまたまた煙に包まれる女の子。今度は少女の姿で出て……来なかった。
 え?と思っていたら「また失敗した〜戻れないよ〜」と言って泣きながら去っていった。

「え…エイト?魔法って失敗することもあるの?」
「うん…たまーにだけどね。あと、使う本人のレベルとか『適性』も関わってくるよ。」
「適性?」
「例えば今のメラだったら火とか、そういうの。わりと本人との相性もあるからね。
 …レーナ、試してみたいの?」

 私はこくこくとうなずく。だって使って女の子超楽しそうだったし…。
 何よりあれを使えればモンスターとの戦闘がぐっと楽になりそうだ。

「よし!!じゃあ日が暮れる前にやってみよっか。…ちょうどいい的もいることだしね……。」
 
 なんだろう。寒気が走ったよ。
 見間違いだよね…エイトのほほえみが黒いなんて…気のせい気のせい。

 記憶が戻ってまだ頭の中はぐちゃぐちゃしてるけど…今は『過去《きおく》』よりも『現在《いま》』のことに専念したい。そう、ルイネロさんのところで決めたんだから…。
 新しい記憶にとまどいながら、焦げてるヤンガス(笑)を連れて、フィールドに飛び出して行った。