二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第2話 初めまして、魔法。それから… part1 ( No.87 )
日時: 2012/11/26 22:48
名前: のあ (ID: kEC/cLVA)

「じゃあまず、ここにのってる基本呪文だけ唱えるよー。出した呪文はアレに当ててね。んじゃ最初は…【メラ】から!」
「メ…メラッ!!」

 呪文を叫ぶと指先に炎が集まって小さな火の玉を作り出す。ごおっ!という音を立てて火の基本呪文…メラが飛び出していく。

 「あちゃちゃちゃぁあ!!」

  ヤンガスに向かって。

 …やっぱりエイトの微笑みは気のせいじゃなかったよ。現に今もにっこりしながら「あ…兄貴…」って言ってるヤンガスを見て私に指示を出してるもん…。く…黒い。
 ヤンガス、君に何か悪いことしましたかー?かといって逆らえば私が切られそうな気がする…。そりゃもうざっくりと。あはは…
 というわけでさっきから呪文を打ちまくってる。後でちょこっと覚えた【ホイミ】でもかけてやろう…場合によっては教会に行くことになるかもしれないけど。

「ん〜…何かどれもイマイチだなぁ…レーナの性質が特定できないや。」
「他に呪文はないの?」
「えと…後は…これぐらいかな。僕はこれ、使えないんだ〜」

 数十分後、一通りの呪文を打ち尽くしてペラペラ魔道書のページをめくっていたエイトは、最後の基礎呪文であるらしいとある魔法の前で指を止めた。
 
 氷の基礎呪文【ヒャド】

 簡単そうに見えて意外と使いにくい呪文らしく、使えるようになってもそんなには上達しないというもので、習得しようとする人は少ないんだとか。エイトもその中のひとり。
 まぁものはためしで…やってみてもいいんじゃない?

「ヤンガス、これで最後だからね!!頑張って!!」
「れ…レーナ嬢ちゃ……心配するなら、もうあっしに向かって呪文は…打たない…」
「氷結せよ!!【ヒャド】!!!」
「うわああ!!しかも詠唱付きぃいいい!?」

 効果がちょっぴり増えるという詠唱を添えて、最後の呪文を放つ。ごめんヤンガスっ!!私だって呪文を使いまくってみたいんだ!!(本音)
 …それにちょっとぐらいは詠唱でエイトの目をごまかせるかもしれないし。難しい呪文を使えるようになったらスゴイじゃな…

  ビュオオオオ……

  へ?吹雪??

  カキーン(ヤンガスが凍った音)

「「「………………」」」
「ヤ…ヤンガス…?」
「(シーン)」
「『へんじがない、ただのしかばねのようだ』?」
「……」
「ホントに返事がないっ!?どうしよエイト!!ってかこんなにヒャドってすごい呪文だったの!?」
「い…いや…。ヒャドってただ大きな氷のつぶてを作るぐらいの威力なんだけど……。これじゃあまるでヒャダルコか、弱めのマヒャド並みじゃないか…」
「ヤンガス完全にスルーされた!?まぁいつものこととして、もしかして、詠唱のせいなの?」
「ち…違うよ!!詠唱はちょっと効果を高めるだけで、こんなになった例は僕もはじめてだよ…。
 どうやらレーナの適性は【氷】みたいだね。珍しいな〜。」
「二人とも悠長に言っておる場合か!!はよう溶かさんと、ヤンガスが死んでしまうぞい!!」
「「わわわっ!!は…は〜い」」

 なんか久しぶりに見たトロデさん(なんでだろ、毎日あってんのに)に注意されて、急いでヤンガスの救出作業に取り掛かった…。
 あ、もちろんメラとギラでとかしたよ。私、氷が適性みたいだけど他の呪文もそれなりに使えるってことがわかったから。
 気絶しているヤンガスを連れて、私たちは「もう遅いから」っていうエイトの意見で宿屋へと向かった。たしかにずっと呪文を打ってたから魔力の消費が半端ない。
 おまけに長旅で疲れてたので、ベットに着いた途端ぐっすり眠ってしまった……。
 そういえばエイトって、あんなに動いてるのに疲れないのか…な……?