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『くっ…しまった、ＭＰがもうない…っ！！きゃあっ！！』

　ザシュッ！！

『レーナっ！！大丈夫！？』

『た…助かったぁ…ありがとね、フィア』

『もう…しっかりしてよね。アタシだってかばうのは限界があるんだから。』

『いいじゃ〜ん別にぃ…。フィアってば、すっごく強いんだもん』

『……そうでも、ないよ。』

『…フィア……？』

『ほらほら！！とっとと歩いた歩いた！もうすぐ夜になっちゃうじゃない。』

『へ…へーい…。わかりましたよぉ…』


　男勝りで強い魔物でもあっという間に倒しちゃったフィア。
　同じくらいの歳なのに思わず私は心の中で『姐さん』って呼んじゃってたの、知ってる？
　あなたの強さに憧れた。まっすぐさに憧れた。フィアは私の中で最っ強のヒロインだったんだ。
　だから…あなたが持ってる闇を、拭い去ってあげたかった。
　ふとしたときに見せる寂しさ、悲しさ。そんなものをいっぱい抱えて、なのにあなたは泣かなかった。泣けなかった。
　それが悔しくて。私があなたの拠り所になれないことが、とても辛くて。
　弱さを見せてくれること。それだけが、あの時の私の願い。
　だからね、フィア。
　お願いだから、旅が終わったら……ーー　


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