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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 【リク募集】ボカロ曲の歌詞に修正して小説にしてみる。 ( No.8 )
- 日時: 2012/12/27 17:47
- 名前: .+*鏡音×二宮×菫*+. ◆7em7NnpvBY (ID: NPAG/Rk4)
落下してきた鉄柱が、日和を貫いて突き刺さる。
うっすら聞こえた風鈴の音と悲鳴の合唱。
また、日和が死ぬのを見るなんて…。
「あああああああああああああああああああああ!!!!」
叫んでみたところで何も変わりはない。
冷たくなった日和の周りには、血だまりができていた。
穴から筋肉や臓器が見える。
気が狂いそうだ。
もう、日和が冷たくなるのを見たくない。
ふと顔を上げると、鉄柱が降ってきたビルの上に陽炎が揺らめいていた。
「くそっ…」
握り拳に力が入る。
今度も、ワザとらしい陽炎が『夢じゃないぞ』って笑っている。
視界が眩む。
うっすら見えた君の横顔は、笑っていた———ような気がした。
何度世界が眩んでも、陽炎が揺らめいて奪い去る。
繰り返して何十年か経った。
もう、とっくに気がついていたろ?
こんなよくある話なら、結末はきっと……自分が想像するかぎり1つだけ。
—————繰り返した夏の日の向こう—————
「、ちょっと待ってっっ!」
膝から逃げ出した猫の後を急いで追いかけ、
ようとした日和を止めた。
日和を押しのけ道路に飛び込む。
瞬間、トラックにぶち当たる。
痛い。ものすごく痛い。
だけど、日和はこれぐらい…いやそれ以上の辛さを何回も味わっているはずだ。
血しぶきの色が君の瞳と軋む体に乱反射する。
うっすら見えた陽炎が、文句ありげに見えた。
ニヤッと笑って、
「ざまぁみろ」
って言ってみる。
『実によくある』夏の日の事、そんななにかがここで終わった。
目を覚ました。8月14日のベッドの上。
少女はただ、
「またダメだったよ」と一人猫を抱きかかえてた。
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