二次創作小説(映像)※倉庫ログ

弱音ハクをドSキャラにしたらこうなった。 ( No.75 )
日時: 2012/09/01 00:10
名前: はるく ◆2bvow6Zq4g (ID: TVgEc44v)

〜第一話 ドSハクの誕生〜

朝。
そこはいつも通りの風景だった。
いつも通りの……
そう、いつも通りの。


「リンっ!今そっちに行ったよ!!捕まえなさいっ!」

緑の髪の少女、ミクが超特急で部屋中を走り回る。
それを聞いた金髪のリンは、ミクが指した方向まで、此方も超特急で駆け抜ける。

「ミク姉、了解っ!レン確保に努めます!!」

手を開いて、頭のあたりでちゃきっとポーズを決めたリンは、ソファーの辺りでもぞもぞと動き回っている『そいつ』に飛び付いた。

「うわああああっ!何なんだよさっきから!」

捕まえられた『そいつ』こと、鏡音レンは、後ろから被さってきたリンに向かって怒鳴り付けた。

「鏡音レン、確保成功で〜っす!さあさあレンちょっと此方来てもらおうじゃんっ?」

警察官気取ったつもりだったのだろうが、言葉がおかしい。
なんだか全体的におちゃらけている。
警察をなんだと思っているのだろうか…

ミクがリンに押さえつけられたレンにゆっくり近づいていき、胸の前で腕を組むと、此方もまた警察官きどってレンに言った。

「昨日の晩、冷蔵庫にあったバナナが全部消えていたのは知ってるかな?」

「し、知らないよそんなこと…!」

レンがミクの問いに即答すると、ミクはレンの話など全く気にもせず言った。

「ほらほら嘘言っちゃって〜、レンの他に一体誰がバナナなんかとってっちゃうんだろーね〜?」

「なっ、なんかって何だよ!バナナに失礼だろ!」

突っ込むところはそこじゃない、と、誰かこの男に言ってやれ。
ミクはさらにのってきて問い詰めた。

「ほらほら全く否定しないんじゃん、レンほどバナナ好きな人なんて此処には…」

ミクがそこまで言ったとき、部屋の扉が物凄い音をたてて開いた。
そしてそこから出てきたのは……黒髪の女の子。

「レンちゃんを捕まえるのは僕だけだって決まってるんだからね!?リン!そこどいて!!」

「ちょ、お前…!そんな物持ち出してくんなって…!」

見ると、その女の子……ミカが持っているのは、真っ黒に塗られた小型の銃……

「レンちゃんってば、もう僕のこと忘れちゃった?レンちゃんは僕のこと、『お前』なんて呼ばないよねぇ?」

ミカは持っていた銃にゆっくりと指をかけた。

「せっかく僕がレンちゃんのために、レンちゃんのバナナ、食べられないようにって、全部隠しておいてあげたのにな。」

ミカの引き金が半分ほど引かれた。
ついでに銃先はレンの方に向いている。

「お前だったのかよ…!お前のせいで俺が疑われただろ…!?」

レンは必死になって叫んでいる。

「わわわわ…危ないよ!しまってしまって!!」

ミクが慌てたように言った直後、ミカの引き金が引かれた。

「うわあああああっ…!!!」

レンが大声をあげたその時、レンの前に一人の女が通った。
真っ白な髪を後ろで束ね、ヨロヨロと歩くその女に、全員が大声で叫んだ。

「「「「ハク姉ーっ…!!!」」」」

「へ……?」


パァンー…と大きな音が響いた。
銃先は……ハクに向いていた……