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「あーあー……ちょっと斬っちゃったかなー…」
「あーあじゃないんですっ！！手！血ぃ出てるじゃんかぁっ！」

ミズキはロロに駆け寄ると、大急ぎで手の手当てを始めた。

「ルイっ！勇馬、手怪我しちゃったけど、謝らないんですかっ！？」

ルイはミズキの声が耳に入らないような様子で、ただ血のついた刀を見つめていた。

「ほらっ、ルイっ！刀見てたって何もないですよぉっ、怪我させちゃったことは変わらないんだから、ルイってばぁっ！！」

ミズキはルイに向かって必死に叫び続けていたが、ルイは何を考えているのか、聞く耳ももたずに、ただただ刀を見つめていた。

「ルイっ、あのー……」
「…刀……汚れたー…？」

やっと口を開いたかと思えば、いきなり訳の分からないことを言い始めた。
刀に血をつけたのは確かにルイだ。
それなのに、それを知らないかのように、ルイはただ呆然としていた。