二次創作小説(映像)※倉庫ログ

『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.2 )
日時: 2014/03/30 15:47
名前: ウルワルス (ID: BgA0tTDI)

第1章  初めての友達

登場人物紹介

ドラコ・マルフォイ
 スコープの父。
 学生時代は純血主義の信奉者だったが、純血主義の権化たるヴォルデモートの恐怖を身近で感じたり、純血主義とは無縁なハリー・ポッターらに命を救われたりしたことにより、改心。そのため、いまだに純血主義を信奉する親族達とは対立している。
 ホグワーツ卒業後は魔法省国際魔法協力部に就職し、現在は国際魔法使い連盟ブリテン支部長を務める。

アステリア・マルフォイ
 旧姓グリーングラス。スコープの母。

アナスタシア・マルフォイ
 愛称ナターシャ。スコープの妹。
 マルフォイ家やグリーングラス家などの純血家系は、長期にわたって血族結婚を繰り返してきたため(例えば、父ドラコと母アステリアは再従兄妹の関係でもある)、その悪影響で生まれつき病弱で、歩くことができない。ただし、外見や精神面での弊害は特に無い。魔法も使える。

サウロス・マルフォイ
 ルシウスの弟ティベリウスの息子トードの息子。スコープの再従兄弟にあたる。髪はブロンド。

ヴァレンティン・レストレンジ
 ベラトリックスの義弟ラバスタンの息子オーガスティンの息子。ハンサムな黒髪の少年で、女たらし。愛称ヴァリー。

マヌイル・ノット
 セオドール・ノットとダフネ・グリーングラス(旧姓)の息子。痩身の茶髪の少年。スコープの従兄弟。

ビクトワール・ウィーズリー
 ウィリアム・ウィーズリーとフラー・デラクール(旧姓)の娘。現在7年生。グリフィンドールに所属。首席兼監督生兼クィディッチチームのキャプテン。母似のシルバーブロンドの髪をした美女。


 







 西暦2017年9月1日午前11時の少し前、キングズ・クロス駅の9と4分の3番線のプラットフォームは、別れを告げる魔法使いの家族で、例年通りにぎわっていた。

「では、行ってきます。」プラチナブロンドの髪に細面をした少年が、両親に別れを告げているところだった。
「体に気を付けるのよ、スコープ。」母親が言った。「それから、くれぐれも喧嘩はしないようにね。サウロスやヴァレンティンに挑発されても、相手にしてはいけませんよ。」
「できる限りそうするよ。」少年、スコーピウス・マルフォイは答えた。「だけど、あいつらは本当にむかつくんです。先日ダイアゴンで会った時も、ナターシャのことを『片端』だとか『一族の恥』だとか言ったんだ!」
 ちなみにスコープの妹ナターシャは、昨夜になって急に発熱したため、今は家で屋敷しもべ妖精の看護を受けている。
「ナターシャが生まれつき歩くことができず病弱であることの原因が、自分達が信奉する純血主義にあることを、彼らも彼らの親達も理解できないのだ。」父親、ドラコ・マルフォイが言った。
「スコープ、お前はスリザリンに配属されるだろうが、できる限り他寮の生徒と仲よくしなさい。スリザリンには、『マルフォイ』の家名に惹かれて近づいてくる者達もいるだろうが、そういう連中におだてられていい気になってはいけないよ。」
「分かっています。」
「それから、もう1つ。」ここでドラコは、にやっと悪戯っぽい笑みを浮かべた。「ジェレイントのことが先生方にばれないようにするんだぞ。」
「分かってるよ。」スコープは笑い返し、列車に乗り込んだ。


 スコープが乗り込んだ車両は、既に満員だった。隣の車両に行こうと扉を開けると、扉のすぐ近くの席に、親戚であり「敵」でもある3人の少年が座っていた。
「やあ、スコーピウス。」 その中の1人で、ブロンドの髪をした少年、サウロス・マルフォイが言った。「君のかわいい妹は、お兄様のお見送りに来てくれたのかい?」
「野暮なことを聞くなよ、サウロス。」 黒髪の少年、ヴァレンティン・レストレンジが言った。端正な顔に意地の悪い笑みを浮かべている。「あの虚弱体質のアナスタシアのことだ。熱でも出して、お屋敷でダウンしてることだろうよ。」
「黙れ。」 スコープは拳を握りしめた。別れ際の母の忠告は、早くも頭から消え去ろうとしていた。
「ところで、スコーピウス。僕達はサウロスから面白い話を聞いてたところなんだ。」 ひょろりとした茶髪の少年、マヌイル・ノットが言った。「スコーピウスにも聞かせてやれよ、サウロス。」
「いいとも。
 これは父上から聞いた話なんだが、昔の日本のマグルの下層民の間には、「マビキ」という慣習があったそうなんだ。この「マビキ」というのは、虚弱な子が生まれると、養っても無駄だから生まれてすぐに水に浸けて窒息死させてしまうことなんだってさ−−」
 その言葉が終わらないうちに、スコープはサウロスに飛びかかっていた。ヴァレンティンとマヌイルはただちにサウロスに加勢し、スコープは3対1で闘うはめになった。