二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.4 )
- 日時: 2015/04/18 10:54
- 名前: ウルワルス (ID: rVkL8ucn)
「この中には、僕のペットが入ってるんだ。」スコープは答えた。「見てみるかい?」
スコープが覆いを取り去ると、透明なケースの中に、2本の角が生えた黒っぽいトカゲのような生き物が入っているのが見えた。
「これは何?」アルバスが尋ねた。
「闘蛇だよ。日本の水辺に棲息する両生類さ。ちなみに名前はジェレイント。
3歳の誕生日に、日本に出張していた父上が、まだ卵だったこいつを買ってきてくださった。
本当は全長2メートルくらいあるんだけど、このケースにはいるよう縮小呪文をかけてあるんだ。」
「日本に出張って、君のお父さんはどんな仕事をしているの?」アルバスが訊いた。
「僕の父は魔法省の国際魔法協力部に勤めていて、今のポストは国際魔法使い連盟ブリテン支部長。」
「へえ、すごいや。何かかっこいいな。」
「あら、アル。あなたのお父さんは闇祓い局の局長なのよ。私はそっちの方がずっとかっこいいと思うわ。」不意に、再びローズが口をはさんだ。
「それから、スコーピウス。あなた、学校に持ち込んでいいペットは梟、猫、鼠、ヒキガエルだけだってことを知らないの?」
「もちろん、それは知ってるさ。」スコープは、嫌な子だと思いながら答えた。「だけど、こいつと僕は8年間ずっと一緒で、こいつは僕にとって弟みたいなものなんだ。」
「なんて情けない。あなたが言ってるのは、『今までずっと一緒だったから、お父さんお母さんと離れられない』って言うのと、同じレベルのことよ。」
「なんだと・・・」
「ローズ、言い過ぎだよ!」アルバスが諫めた。「初めての友達なのに!」
「私はこんな子、友達として認めないわ!」
「それはこっちの台詞だ!」スコープも言い返した。
「私はこれからビクトワールのところに行って、覚えた呪文をテストしてもらいに行くわ。スコーピウス、あなたもそんなトカゲもどきを見せびらかしてる暇があったら、基本呪文集でも読んでみたらどう!?」
ローズはさっさと荷物をまとめて、出て行った。
「何なんだ、あいつ。」スコープは憤慨して言った。「僕はあいつに対して礼を失した覚えはないのに、あんなことを・・・」
「ローズは悪いやつじゃないんだけど、少々規則を重視しすぎる傾向があってね。」アルバスが苦笑しながら言った。
登場事物紹介
闘蛇(とうだ)
日本の綺麗な川や湖に棲息する両生類。頭部に2本の角を持つ。泳ぐのも走るのも速い。表皮は黒っぽく、主食は魚類。成体は全長2メートルを超える。
前近代においては日本の魔法使いの乗り物であり、また、角や表皮が魔法薬の材料となるため、魔法生物に指定されている。
角をつかまれると、馴れていない場合でも従順になる。