二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜   第一部 ( No.9 )
日時: 2012/09/02 18:02
名前: ウルワルス (ID: AzyLAkTK)

 だが、スコープが最初の一口を食べようとしたとき、不意に一筋の光が大広間の端から端までを、目の眩むような明るさで満たした。そして、広間の二重扉がゆっくりと自然に開き、半透明の覆いがかかった大きなカップのようなものが、神々しいと形容するしかない光を放ちながら広間の空中を進んできた。カップはグリフィンドールのテーブルの上を進み、スコープの前に来ると、何故か5秒間ほど静止した。
 それからカップは再び進み出し、教職員テーブルを通り越し、広間の突き当たりまで進むと、唐突に消え失せた。カップが大広間にある間、誰もが おし になったように口を利くことができなかった。

「ジェームズ、ルイス。今のは君達の『余興』かい?」2年生の誰かが言った。
「・・違う。いくら僕達でも、あんなことできるもんか。」ジェームズが言った。「先生方じゃないんですか?」
「いいや。こんなことは予定していなかった。」フリットウィック先生が答えた。「そもそも、あのような状況を作り出せるほどの魔法の使い手は、この私も含めて先生方の中にもいないだろう・・」他の先生達もうなずいた。
「しかし、闇の魔術でないことは確かです。」ルーデンベルクが言った。「歓迎会を再開してもよろしいのでは?」
「・・そうですな。」フリットウィック先生も気を取り直して言った。「ではもう一度。諸君、好きなだけかっこみなさい!」
 生徒達も再び食べ始めた。
「でも、不思議だな。どうしてあのカップはスコープの前で止まったんだろう?」アルバスが言った。
「さあ、何でだろうね・・」
 答えながらも、スコープは誰かの強い視線を感じ、上座の方を見やった。ルーデンベルクが非常な興味をたたえてスコープを注視していた。まるで、獲物を見つけたドラゴンを思わせた。スコープは再び体中に戦慄が走るのを感じた。