二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.102 )
- 日時: 2013/04/29 18:10
- 名前: ウルワルス (ID: f3VBH/TD)
「お前達屋敷妖精は、ボーバトンの敷地内でも『姿眩まし』が可能だったな?」
ネックレスを首に掛けながら、ドランペルージが言った。アイサムは杖を抜いた。
「おっしゃる通りにございます。では・・」
屋敷妖精はドランペルージのローブの袖に手を伸ばした。
「ペトリフィカス・トタルス(石になれ)!」
アイサムはドランペルージに対し全身金縛り術を使った。しかし、「盾のマント」同様ドランペルージのローブに「盾の呪文」がかけられているのか、彼の呪文は光の壁に阻まれた。ドランペルージは驚いたようだったが、慌てた様子はなかった。一方、屋敷妖精は主人以上に落ち着いた様子でパチンと指を鳴らした。
「『透明マント』で身を隠した黒ん坊が、御主人様に杖を向けている!」
屋敷妖精は甲高い声で叫んだ。アイサムは思わず唇を噛んだ。こいつに透明マントは通用しないのか・・
「捕まえろ!」
ドランペルージが言った。同時にアイサムは屋敷妖精に対して全身金縛り術を放ったが、呪文を跳ね返された。「盾のマント」の御陰で、自分の呪文にかかることは免れたが。
屋敷妖精は右の人差し指を立て、自分の方に曲げた。すると、アイサムの杖は彼の手を離れ、宙を飛んで妖精の掌に収まった。さらに妖精は空いた左の掌をアイサムに向け、赤い光弾を放った。光弾は「盾のマント」をものともせずアイサムの体を直撃し、彼は意識を失った。
*
「くそっ・・」
他の選手達より高いところでスニッチを探していたスコープは、ディオールシアンがバロンデュールとの得点差を60に広げたことを告げる実況の声と、ディオールシアン生達の歓声を聞き、顔をしかめた。
技量の点でもチームワークの点でも、バロンデュール・クィディッチチームはディオールシアンに劣っていた。スコープが先にスニッチを捕ればいい話ではあるが、彼としては、アイサムがグローメルの部屋を充分調査することが出来るよう なるべく試合を長引かせたかった。それに彼は、味方がクアッフルを奪われる度にチェイサーとしての習性が疼き、スニッチを探すことになかなか集中できないでいた。
『どうも僕は、シーカーには向いてないみたいだな・・』
一方、ジュール・ドランペルージは優秀なシーカーといえた。彼はスニッチを探す傍ら、しばしば混戦の直中に身を投じ、敵チェイサーやビーターの間を縦横無尽に飛び回ることでこちらの連携を乱した。加えて、巧みな飛行の技術でスコープをマークし、彼の進路を度々変えさせた。