二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.103 )
日時: 2014/04/11 11:10
名前: ウルワルス (ID: BgA0tTDI)

 ディオールシアンが10回目のゴールを決め、両チームのスコアが100対30になった頃、遂にスコープは空中で微かに光を放つスニッチを見つけた。ドランペルージは、先程味方をフォローしてバロンデュールのチェイサーの邪魔をしていたばかりで、まだ気付いていない。
 スコープはミラージュスウィフトを加速しかけたが、もう少し時間を稼げば、アイサムがグローメルの部屋の防御網を突破して真実薬とシャルル・ドランペルージの「武器」を盗むことが可能になるかもしれないと思い、結局方向転換した。
 それと同時に、ドランペルージがスコープの横を弾丸のように飛び去っていった。彼は、スコープの動きを見逃さなかったのだ。
 スコープはやむなく後を追ったが、ドランペルージの箒「レクレア3000」の加速力はミラージュスウィフトより上だったし、それでなくとも彼は飛行の名手だった。出遅れた以上スコープに勝ち目はなく、程なくしてドランペルージはスニッチを掴み、高々と掲げた。
 結果は250対30。ディオールシアンは圧勝し、優勝杯も獲得した。





            *





「エネルヴェイト(活きよ)!」 
 アイサムは、無理矢理意識を呼び覚まされた。目を開けると、シャルル・ドランペルージが立っているのが見えた。自分はというと、四肢を縛られてドランペルージの足下の冷たい床にころがっていた。彼らが今いる場所は、薄暗い室内だった。
 杖は既に屋敷妖精によって奪われていたし、透明マントと「盾のマント」は剥ぎ取られていた。アイサムは、スコープとジェームズ・ポッターに申し訳なく思い、自分の愚かさがつくづく嫌になった。
「アイサム・ムウィレレ君だね?」
 ドランペルージが冷たい声で言った。彼はなかなかの美男で、グローメルが惚れているのも肯けた。
「君のことは息子のジュールからよく聞いている。なにしろ、君は我が母校で唯一の有色人種だからね。おまけに『穢れた血』ときた・・・
 さて、質問がある。君は何故あの場にいて、私を攻撃したのかね?」
「あなたが犯罪者だからです。」
 アイサムは臆することなく言った。どうせ、黙っていても無事で済むはずがないのだ。
「ジュールが言っていたが、君はフランソワ・デラクールの娘と親しいそうだな。娘を通じて、やつの指令を仰いでいたのか?」
「いえ、娘さんは無関係です。」
 アイサムは反射的に答えた。カトリーヌに危害が及ぶようなことがあってはならない。
「まあ、デラクールが一枚噛んでいることは間違いなかろうな。やつはこれまでも散々私の邪魔をしてくれた。学生時代から、ずっとだ・・」
 ドランペルージは独り言ちた。