二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.104 )
日時: 2013/06/02 17:15
名前: ウルワルス (ID: f3VBH/TD)

「僕をどうするおつもりですか?」
 アイサムは言った。
「無論、死んでもらう。有色人種と『穢れた血』は、フランス魔法界から排除されねばならないからね。」
 ドランペルージが言った。
「今晩、私は20名の同志と共に魔法省に対するクーデターを決行する。我々が権力を握れば、フランス魔法界は新たな時代を迎えることになろう。有色人種と『穢れた血』にとっては、苦難の時代となるだろうが・・」
「たった21人で、何が出来るというんです?」
 アイサムは言った。
「デラクール氏を始めとする魔法省の方々が、警戒を怠っているとでも?」
「これがある限り、デラクールであれその他の誰であれ、私を止めることなどできん。」
 ドランペルージは、服の下に隠されていた例のネックレスを引っ張り出した。
「君も体験した通り、これを持っている者は魔法を使ったあらゆる攻撃から守られるのだ。」
「どうやってそんな物を・・」 アイサムは愕然とした。
「君はもうじき死ぬ運命にあるのだから、教えてあげても構わないだろう。
 このネックレスはゴブリンの手になる物で、ドランペルージ家に伝わる家宝の1つだった。君は知らんだろうが、ゴブリン製の品には別の物に備わっている魔力を吸収するという性質があるのだ。
 そこで私は、このネックレスに強力な魔力を注ぎ込めば、武器として使えるのではないかと考えた。
 ここで質問だ、ムウィレレ君。私が強力な魔力の供給源として注目したのは、何だったと思うかね? 君ならば分かると思うが。」
「まさか、ジン・・?」
 言いかけて、アイサムは はっとした。
「1年次にヒッポグリフの雛を殺したのは・・!」
「いかにも。我が子ジュールの仕業だ。」
 ドランペルージはあっさりと言ってのけた。
「ジンを召還して殺させたわけではないがね。我が家に仕える屋敷妖精の1人−−君の杖を奪ったやつだ。あれが最も有能なのでね−−にやらせたのだよ。君を美しき我が母校から排除するには至らなかったが。
 さて、ネックレスに話を戻そう。私はジンを召還し、その魔力をネックレスに注がせることにした。一介のジンでさえ、この世界で最も強力な魔法使いを上回る魔力を持っているというからね。
 私の前に現れたのは、フィアレンという名のジンだった。別に彼でも構わなかったのだが、念のため、最強のジンを連れてくるよう彼に命じた。暫くして、フィアレンはもう1人のジンを伴って再び姿を現した。」