二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.106 )
- 日時: 2013/06/09 16:01
- 名前: ウルワルス (ID: f3VBH/TD)
「死ぬ前に、1つお願いがあるのです、ムシュー・ドランペルージ。」
ドランペルージの話に一区切りついたところで、アイサムは言った。
「あなたは、そのネックレスは魔法を使ったあらゆる攻撃を防ぐとおっしゃいましたね?」
「そうだ。君の『全身金縛り術』も、難なく防いだだろう?」
「僕の呪文程度なら、ローブに『盾の呪文』を仕込んでおくだけでも防げるでしょう。それにあの状況であれば、あなたの傍にいた屋敷妖精がとっさにバリアを張ったとも考えられます。」
「君がどう考えようと知ったことではない。
それで、願いというのは何だね? なるべく苦痛を感じないように殺してほしいのかな?」
「僕は、そのネックレスにあなたが言ったような魔力が備わっているのか疑わしく思っています。だからそれを確かめるために、拘束を解いて僕にあなたを攻撃させてほしいのです。」
「よかろう。だが、君が年齢にそぐわない強力な呪いを使えるのだとしても、ネックレスが創り出すバリアを破ることは出来まい。
ああ、そうだ。ラキーを呼ばねばな。君の杖は あれが持っているから。」
「その必要はありません。」
アイサムは慌てて言った。屋敷妖精が来れば、計画がふいになってしまう。
「予備の杖がローブの内ポケットに入ってますから。」
「ほう。君の家に、杖を複数買えるだけの財力があるとは思ってもみなかったよ。」
言いながらドランペルージは杖を抜き、アイサムの四肢の拘束を解いた。アイサムは立ち上がり、「騙し杖」を取り出した。
アイサムは「騙し杖」をドランペルージの顔面目がけて投げつけた。アイサムが期待した通り、ネックレスは物理的な攻撃に対しては作用しなかった。騙し杖はドランペルージに当たった瞬間ぬらぬらとした特大のナメクジに変わり、彼の顔面にべったりと張り付いた。彼はくぐもった悲鳴を上げ、杖を取り落とした。アイサムはすかさず飛び掛かり、ドランペルージの首に掛かったネックレスを奪い取った。
バチン!
「御主人様、御無事ですか!?」
屋敷妖精が現れた。アイサムはとっさにネックレスを自分の頸に掛けた。一方、妖精はまずドランペルージの顔に張り付いているナメクジを消し去った。
「穢らわしい黒ん坊め! 御主人様になんということを!」
屋敷妖精は赤い光弾を放ったが、ネックレスが創り出したバリアによって跳ね返された。屋敷妖精は自分に向かってきた光弾をやりすごすと、今度はアイサムに向かって飛び掛かってきた。