二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.107 )
- 日時: 2013/06/09 17:29
- 名前: ウルワルス (ID: f3VBH/TD)
アイサムと屋敷妖精は取っ組み合いを演じた。強力な魔力を持つ屋敷妖精といえど腕力は大したことはなく、アイサムは充分に対抗できたが、程なくして衝撃から立ち直ったドランペルージが乱闘に加わった。さすがにアイサムは抗しきれず、ついに屋敷妖精によって腰にしがみつかれ、動きを封じられた。
「今です、御主人様!」 妖精がキーキー声で叫んだ。「ネックレスをお取りください!」
ドランペルージが腕を伸ばしてきた。彼の端正な容貌は、今や恐ろしい形相と化していた。
アイサムは必死の反撃に出た。卑怯な手だとは思ったが、ドランペルージの股間を思い切り蹴り上げた。
「○×□っっ!!」
ドランペルージは悶絶した。
「御主人様!」
屋敷妖精は悲鳴を上げ、思わず腕の力を緩めた。アイサムはこの機を逃さず妖精を突き放し、床に落ちていたドランペルージの杖を拾い上げた。まず妖精を攻撃しようとしたが間に合わないと悟り、代わりに、床に倒れ込んでいるドランペルージに杖を向けた。
「仲間を呼ぼうなんて思うなよ。」
アイサムは屋敷妖精に言った。
「仲間が来る前に、大事な御主人様を『死の呪文』で殺してやるから。」
「ドランペルージ家にお仕えする屋敷妖精は、皆出払っております。」
妖精の口調には、こんな時だというのにどこか誇らしさが感じられた。
「あいつらは、魔法省に潜入して今宵のクーデターの下準備をするという雑用に駆り出されております。
ですが御主人様は、このラキーめを信頼してもっとも重要な任務をお与えになったのです!」
突然、部屋の扉が開いた。
「一体何事です!?」
恐らくシャルル・ドランペルージの妻なのだろうが、冷たい顔立ちの女性が入ってきた。次の瞬間、彼女は床に倒れて悶えている夫に目を留め、息を呑んだ。一方、ラキーはいきなり床に自らの額を打ちつけ始めた。
「申し訳ございません、奥様! ラキーめがいたらなかったせいで・・」
アイサムにとってはありがたい展開だった。
「ペトリフィカス・トタルス!」
アイサムの呪文はラキーを戦闘不能にした。アイサムは矢継ぎ早に同じ呪文をドランペルージ夫妻にかけた。夫のほうは情けない格好のまま硬直し、妻のほうも杖を抜く間もなく金縛りになった。