二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.108 )
日時: 2013/07/15 13:38
名前: ウルワルス (ID: f3VBH/TD)

第19章  災禍と再会






 試合が終わり、スコープが談話室に戻った時、アイサムの姿はそこにはなかった。罰則を終えたカトリーヌが戻ってきた時もアイサムはいなかったため、スコープはカトリーヌと共にグローメルの部屋の辺りまで様子を見に行くことにした。
 部屋の扉は閉まっていた。もしかしたらアイサムが中にいるかもしれないと思い、暫く待っていたが、出てきたのはグローメルだった。
「教授の私室の前で不審な挙動を取ったことに対し、バロンデュールから1人につき10点減点します。」
 急いで立ち去ろうとする2人の後ろから、グローメルは言い放った。

「アイサムは大丈夫かしら?」
 再び談話室に戻ると、カトリーヌが言った。
「グローメルに捕まったとしか思えないけど・・」
「僕のせいだ・・」
 スコープはすっかり打ち拉がれていた。
「僕が『真実薬を使って疑いを晴らそう』なんて言い出さなければ、こんなことにはならなかったのに・・」
「あなたのせいじゃないわ。真実薬をグローメルの部屋から盗み出すことを提案したのは、私なんだから・・」
 カトリーヌも悲観的になっていた。


            *


 だが、アイサムは夕方になってボーバトンに戻ってきた。それも、フランス魔法省長官に伴われて。

 長官から話を聞いたマクシーム校長は、急遽全校生徒を大広間に集めた。その場で長官は、アイサムがいかにして魔法省の危機を救ってくれたかを語った。シャルル・ドランペルージの仲間達も、ドランペルージが名前を吐いたことで、大半が捕まったという。
 それから長官は、「クィディッチの大物ヒーロー」から一転して「犯罪者の息子」という烙印を押されたジュール・ドランペルージを名指しで批判した。スコープが予想していた通り、アイサムが世話したヒッポグリフの雛が死んだのは、ジュールの仕業だったのだ。

 ここまで劇的などんでん返しがあろうとは、スコープもカトリーヌも無論予期していなかった。
 夕食の席でバロンデュール生達はアイサムに対して、彼を疑い仲間として認めてこなかったことを詫びた。
「結局、シャルル・ドランペルージが持っていた武器って何だったの?」
 皆の謝罪が済んだところで、カトリーヌがアイサムに尋ねた。長官はそれについて曖昧に「武器」と言うばかりで、具体的に言及しようとはしなかったからだ。
「長官には、『武器』については他言無用だと言われてる。」
 アイサムは言った。
「だけど、君とスコープには無論隠したりしないよ。」