二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.109 )
- 日時: 2013/07/15 14:53
- 名前: ウルワルス (ID: f3VBH/TD)
アイサムは寮の寝室にて、ドランペルージの「武器」だった魔法のネックレスについて話してくれた。ネックレスを魔法省が保管することも検討されたが、盗まれた場合を考慮して、結局ジンを召還して彼らが住む異世界に送ってもらうことになったそうだ。
翌日には、ジュ−ル・ドランペルージの退学とアマリエ・グローメルの免職が決定された。クーデターを企てたシャルル・ドランペルージ一味は、ビスケー湾の魔法監獄に収容されたとのことだった。
*
フランスでのクーデター未遂事件から約1ヵ月後の土曜日。
ブリテンのホグワーツ魔法魔術学校では、寮対抗クィディッチ杯のグリフィンドール対ハッフルパフ戦が行われようとしていた。
グリフィンドールのチェイサー、アルバス・ポッターは、チームメイトと共に競技場に向かっていた。ハッフルパフ相手に負けると思っているわけではないが、アルバスはいささか不安を感じていた。
不安の元凶は、スコーピウス・マルフォイに代わってチェイサーに起用された5年生のジェラルド・マクラーゲンだった。別に下手ではないのだが、彼は協調性が著しく欠如していた。チーム内の練習試合でも、味方からクアッフルを奪って敵陣に突っ込み、そのくせ得点できない、ということが度々あった。上級生のハロルド・アンダーソンやヘンリー・ウッドが叱咤しようと、マクラーゲンにはどこ吹く風だった。
今はそのマクラーゲンも、大柄な体を縮め、怯えた様子で辺りを見回しながら足早に歩いていた。相変わらず校内を徘徊している「透明な怪物」に怯えているのは明らかだった。彼は既に襲われているから、恐ろしさも一入なのだろう。
競技場が間近になってきた頃、先頭を歩いていたキャプテンのハロルド・アンダーソンが、声もたてずに突然前のめりに倒れた。
「おい、ハロルド! 大丈・・」
彼を助け起こそうとしたヘンリー・ウッドは絶句した。倒れたハロルドの周りに駆け寄ったアルバス達は、彼の喉元から夥しい量の血が流れ出ているのを目にした。
直ちにジェームズが、手元にあったSFⅡに乗って校医を呼びに行った。しかし校医が到着した時には、ハロルドは事切れていた。
クィディッチ試合は中止となり、その日の内に学校閉鎖が決定された。