二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜 ( No.110 )
- 日時: 2014/04/11 15:30
- 名前: ウルワルス (ID: BgA0tTDI)
ホグワーツ校の閉鎖は、イースターを間近に控えたフランス魔法界でも報道された。
スコープ、アイサム、カトリーヌは、イースター休暇のためパリ・モンパルナス駅に向かうTGVの車内で、このことについて話し合った。
「もっと早い内に閉鎖を決定すべきだったわね。そうしておけば、死者が出なくて済んだのに。」
カトリーヌが言った。
「未だに犯人が捕まらないなんて、『紫息病』の流行にせよ今回の悲劇にせよ、誰かがジンにやらせてるんじゃないかな。」
アイサムが言った。アイサムは「口減らし」のためイースター休暇中は家に戻らないことになっていたが、スコープの誘いでマルフォイ家に滞在することになった。アルバスも来ることになっていたので、スコープとしては新旧の親友に、互いに親睦を深めてほしいと思っていた。
それにしても、ローズが「紫息病」のため来られないのは残念だった* 。
*
アイサムは、初対面の挨拶を用意していた英語で行い、スコープの両親を感心させた。
翌日にはアルバスと、驚いたことにローズが、フルーパウダーを使ってマルフォイ邸に到着した。
「ローズ! 君は『紫息病』に罹ってたんじゃ・・」
ローズが暖炉から姿を現した時、スコープは驚いて言った。
「アル! そうだったんじゃないのか!?」
「僕は、『ローズが紫息病に罹ってる』なんて、一言も手紙に書かなかったけど?」
アルバスは澄まして答えた。
「私があなたに返事を書かなかったのは、病気が理由じゃないの。本当の理由は、今はまだ言えないけど・・・」
ローズは、少し恥ずかしげに微笑んで言った。
*
ローズが、スコープとカトリーヌ・デラクールについての考えを改めたのは、ヴァレンティン・レストレンジに侮辱されてから3日後に届いた、アルバス宛のスコープの手紙*2 だった。アルバスからそれを渡されて読んだ当初は、ただただスコープの鈍さに腹が立つだけだった。
だが手紙の内容を吟味するうち、スコープが自分のことを大切に思う気持ちがひしひしと伝わってきた。彼の鈍さも、レストレンジの言葉(スコープはローズが思っているほど幼くない云々)を打ち消す「純真さ」の証のように思えた。
同時に、恋人や夫婦の関係でもないのに、スコープが他の女の子と仲良くすることに嫉妬して腹を立てていた自分が愚かしく思えてきた。
* >>100
*2 >>100 に登場する、アルバスが嘘をついてきたことを指摘し、ローズをホグワーツから引き離すよう催促する手紙。