二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 『ハリー・ポッター』二次小説〜騎士王の末裔〜    ( No.118 )
日時: 2013/09/01 15:59
名前: ウルワルス (ID: giYvI9uD)

 昼食を済ませた後、子供達は決闘の練習に興じた(カムラン平原は強力な保護呪文によりマグルの目から隠されているので、思う存分魔法が使えた)。やはりジェームズが断トツに強かったが、スコープにはローズの調子が悪すぎるように思えた。ローズは、決闘を得意とするポッター兄弟はおろか、スコープ、アイサムにも勝つことが出来ないでいた。そういえば、彼女は今朝からどこか具合が悪そうだった。
 スコープとの3度目の対戦の際、ローズは突然杖を取り落とし、地面に膝をついた。
「大丈夫かい!?」
 スコープはローズに駆け寄った。彼女は わなわなと震えており、両眼から赤い光を放っていた。
「駄目・・」
 ローズが呟いた。
「ローズ!?」
「スコープは、私の大切な・・」
 そこまで言いかけて、突然ローズの表情が消えた。彼女は杖を拾い、ゆっくりと立ち上がった。
「一体どうしたの?」
 それまで子供達を見守っていたウィーズリー女史が近付いてきた。しかしローズは母に応えることもせず、ゆっくりとスコープの胸に杖を突きつけた。
「ローズ、一体何を・・」
 スコープは言いかけた。
「アヴァダ・ケダヴラ(息絶えよ)」
 ローズは機械的な口調で「死の呪文」を唱え、同時にウィーズリー女史が無言で「武装解除呪文」を唱えた。ローズの杖は宙に飛んだが、杖先からは そのまま緑色の閃光が発射された。閃光は地面に当たり、その部分だけ芝草が枯れた。
 ローズは僅かな間棒立ちになっていたが、不意に仰向けに倒れ込んだ。
「ローズ、どうして僕を・・」
 スコープは今の出来事が信じられず、倒れているローズを見つめるばかりだった。その間にもウィーズリー女史は娘の状態を調べ、一方、ただならぬ気配を感じた親達とナターシャ、リリー、ヒューゴが集まってきた。
「ハーミー伯母さん。ローズは大丈夫なの?」
 アルバスがウィーズリー女史に尋ねた。
「ええ。気を失っているだけ。」
 女史は答えた。
「だけど、何故あんなことをしたのかは分からないわ。『服従の呪文』あたりをかけられていたとしか思えないけど・・」
「実は、学校で・・・」
 アルバスは、ローズが飛行訓練場で倒れていたこと、目を覚ました直後に無意識のうちに奇妙な行動をとったことを話した。
「それは、まーるで・・」
 アイサムが英語で言いかけたが、上手く言えなかった。
「スコープ、通訳してくれる?」
 アイサムに頼まれ、半ば上の空でアルバスの話を聞いていたスコープは、彼の言葉をフランス語から英語へと訳していった。